about/モエかん(?
・満遍なく女性向け腐敗臭と、公式設定からの妄想で出来てます。
・タイトルでググるとまず真っ先に出てくるだろう本篇のヒロインたちはここには欠片も居ません。
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※「モエかん」とは?
・2003年発売の成人用PCゲーム。平たく言うと男性向けエロゲーです。当時よくあった、エロいらんやろ系。
・全年齢コンシューマ版(PS2、DC)も、攻略キャラを一人追加して発売されています。
・ユルそうなタイトルと、メイドものと言うざっくりした内容説明を裏切って、設定ドカ盛りのハードな世界観を持っており、そこが魅力。
・但し、ライターが分業制且つ設定の共有に失敗したり、ルートに因っては設定がほぼ無駄になったり、人物の口調が変わったり、関係性が変わって仕舞ったり、もうこれ普通のギャルゲで良いんじゃないの感溢れていたりと、作品全体のクオリティは当時の標準程度です。
イベントCGのクオリティは流石と言うべき高さですが、パース狂いネタ絵の筆頭として未だ挙げられて仕舞うものも含まれていたり、ギャグっぽいシーンではデフォルメ調の絵になったりと、良くも悪くも当時の程度で以下略。
・2004年にはPCで「モエかす」と言うファンディスクが発売されていて、特別シナリオの他、本篇で出来なかった霧島ルートの補完シナリオが収録されています。但し現行OSではプレイ出来ないと言う欠点を抱えております。
…と言うか寧ろ設定を活かす意味ではこれが正史と言うレベル。ここでもこのモエかす霧島ルート(以下真霧島ルート)を正史として扱います。
・当サイトでは、このモエかんの設定の一つで、主人公である神崎貴広の過去要素として本篇チラ出の「PIXIES」が腐妄想二次創のメインとなっています。
・二次創を書く上での設定ソース
PC版とPS2版本篇、PC版とPS2版ファンブック、中の人の同人誌、モエかす、OVA
など一応は公式情報を参照してますが、意識して無視している要素もあります色々と。
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●モエかん関連話と公式設定の捕捉説明
重ね重ね、本篇では出てこない裏?設定がドカ盛りで、ファンブックなど書籍を参照しないと全く不明な話や用語や設定もあるので、この際もう自分メモも兼ねて全部書いておこうとかそんなやけっぱちな話。
※本篇情報やファンブック情報のほぼ要約書き写しです。個人的意見や見解は「>」段落に。
・モエかす
本篇発売の一年後ぐらいに発売されたPC版ファンディスク。現行OSでプレイ可能かどうかは不確定。起動時ディスクチェックの為にモエかすディスクの本体を用意しなければならず、現状ではプレイのハードルは残念ながら高め。
収録シナリオは、設定的な意味で正史である「Route of Kirishima」(真霧島ルート)がメイン。霧島ルートの補完シナリオ且つ補完以上に完成された何か。
他にも、水着エロ用の「真冬の水着」、鈴希ルートの後日談に当たる「二人の鈴希」「鈴希とかずさ」、隷のntr(寝取られ)エロ用の「RAY-0001」、シナリオはファンメイドながら演出や新規立ち絵とイベントCGは製作陣が公式追加している「二五六三ノ空」が収録されている。
鈴希が多いのは恐らくライターやイラストレーターの都合だと思われますが…。また、特に注意書きはないものの、水着と隷は冬葉エンドのおまけ後日談と言う扱いなので(冬葉と出来ていると言う設定なので)注意。
本篇メインヒロインの筈のリニアの存在感は全体的に見れば薄め。
真霧島ルートと二五六三ノ空以外は無くても良かったレベル。真冬の水着はエロルートを避ければ普通のほのぼの話と言えますが。
二五六三ノ空は、タイトル通りに同社の処女作である「終ノ空」の世界をモエかん世界に持って来た、良質なファンメイドシナリオ。終ノ空の一部のキャラクターの新規立ち絵やイベントCGもあり、終ノ空ファンも見逃せない。特に「間宮卓司」の立ち絵は終ノ空よりかなり良くなり、後の同社作品「素晴らしき日々」ともまた違った雰囲気で描かれている。
個人的な感想でしかないですが、世界の外側に行って仕舞った卓司と、世界の理の存在である貴広との戦いとか論争が面白いです。
小冊子が付属されており、モエかす内で使われたキャラクターラフなどを掲載。
他にも制作者の同人誌に掲載された、リニアとかずさのふたなりエロ…、と僅か数行の間に二人に貞操を奪われる貴広と言う、エロ小説も再掲。
…ゲームの方で格好良い主人公していたかと思えば…!の落差にやられた結果が今の自分です。
・真霧島ルート
正確には「Route of Kirishima」。ファンディスクである「モエかす」に収録されているメイン的なシナリオであり、本篇での霧島ルートの補完且つ、出せなかった&活かせなかった設定を大いに出した、設定を活かす意味での正史と呼べるシナリオ。
本篇とは異なりエロ要素は無く、選択肢も無いのでストーリーにだけ集中出来る。全ルート共通となる本篇初日からの開始と(分岐はなし)、ルートに入った部分からの開始とどちらも選べるので、これ一本だけでもモエかんストーリーを(1ルートだけとは言え)最初から最後まで楽しむ事が可能。
新規立ち絵やイベントCGの追加に加えて、演出面も強化されている。
推敲する時間がなかったのか若干誤字脱字が目立つ。
・モエかん The Animation
平たく言うとOVA。全三巻。本篇のリニアルートとかずさルートを味わい程度にベースにし、他ヒロインはサブキャラ役程度。
まあ何と言うか当時の量産作品と言った感が強く、作画クオリティは基本中の下。稀〜に良作画している事もあるが、基本的には色々酷い事が多い。
仮にも美少女ゲーのアニメだと言うのに、衣装がシンプルで表示回数の多い貴広が一番作画がまともに見える説。ヒロインたちは原作絵を当時の流行り通りのアク強めで持って来た為に、目が軒並み大きすぎて怖いレベル。
けれど未だに時たま話題になる終ノ空のエロ(?)OVA(あれも当時見ました…)よりは断然良クオリティ。
エロゲー・美少女ゲーが原作だと言うのに、エロ要素は特にありません。二巻で乳首隠し無しのおっぱいが1カット、ぱんつが少々あるぐらい。寧ろ貴広が一番肌色出してましたね。
残念ながらシナリオは下の下の下の下。ツッコミ所にすら疲れ果てるので寧ろツッコミを楽しむべき。
暗殺者が足裏ロケットで超安定飛行したり、サプレッサー無しでAR乱射するのなんて序の口。
本篇でも出る「オートアタックモード(AAM)」が「OAM」と呼ばれていた事に気付いた時には笑いすぎて死にそうになった記憶があります。オートってローマ字か!
ただ、貴広に関しては、本篇に無い音声がアニメなので当然入っており、しかも森川御大が演じておられて、ピッタリだし演技も言うまでもなく。
本篇で忘れられている義肢設定はがっつりフォローされており、おまけに演出と言うか杖の動作が細かい。歩行時には必ず杖をついて足を引き摺って歩くし、しゃがむ時には杖を軸の部分に持ち替えたりと、かなり細やかに描かれている。
他にも、寝起き時のヘアスタイルはバッサァ、仕事中はちゃんとセットされているデザインになっていたり。リニアハンドがいちいち効果音鳴ったりぴこぴこ動いたり。絵のクオリティやシナリオはかなりどころじゃなく酷いのに(直球)、その辺だけは無駄に見事だと思います…。
ちなみに、おやじさんはコンシューマ版同様CV高木刑事です。殆ど鳴かない井上先生にも大御所の声が何故か入っております。驚き。
・モエかん 萌えっ娘島へようこそ!
いわゆるコンシューマ版。PS2とDCで発売されている。
PC版とは異なり、年齢制限のかかる箇所や問題のある言葉や絵などが修正及び改変されている。基本ストーリーなどはPC版と変わらず、エロが無い分ノリは普通にストーリー重視のギャルゲー。
他、コンシューマ追加キャラとして「萌野命」と言うキャラがルートごと追加されている。命のキャラデザインは同社の前作品に当たる「二重影」に登場したキャラのセルフパロディとなっており、命ルートのイベントCGや立ち絵も全て公式の手による。CVはモモーイさん。
そんな命ルートではALICE IN CHAINSの設定の一部が語られている。
エロが無いのでマイルドに読めるが、霧島ルートの未完成ぶりなどはその侭PC版準拠。エロパートがない分、アフターストーリーとして分岐のないショートストーリーが各ヒロイン毎に追加されている。
どうでもいいんですが、このアフターストーリーの選択時のアイコンが何故か終ノ空風の眼になっていたり、おまけ要素のあちこちでヒロインたちのSD格闘ゲームの様なドットが表示されたり、ロード時などに表示されるキャラクター立ち絵を選択出来たりと、何となく無駄な様な凝りポイントがある。なお選択出来る立ち絵の中には大柴や暗殺者のお兄ちゃんや井上先生まで含まれている…。
初回版にはラフ画などが掲載してある小冊子と、命の声優さんに因るイメージソングCDが付属されていた。
なお貴広にも飯島にも隷にも朝霧にも音声の無い中、おやじさんだけ某高木刑事ボイスががっつり採用されている。ヒロインでもないのに台詞がものっそ多くご苦労様です…。音声のない貴広との会話が多い為に、ほぼほぼ一人で喋っている様にしか聞こえないのが難点です。せめて脳内で貴広の台詞を森川ボイスで読もう。
・モエかん公式ビジュアルファンブック
SBPから出版された、モエかんPC版のビジュアルファンブック(VFB)。
当時のゲーム業界は、攻略本要素と設定資料などを網羅した書籍を関連商品として売り出すのがトレンドでした。
完全に余談ですが、その頃はネット上にwikiなどなく、ゲーム自体が面白くないorプレイが難しくて考察困難だけど世界観や設定資料は欲しい、と言う作品も多かった様で、販売のマルチ展開と言うかゲームの関連書籍は攻略本以外にもかなり出版されていました。どうしようもないマイナーゲームでも設定資料集が存在していたり。
ゲームのタイトルに因っては一作品で複数冊の書籍が販売されるもの、ゲームより書籍が本体、アル○ィマ○アが説明書、などと言うものも当時はよくあったのです。今もありますが、もっと遙かに本屋さんに収まりきれないほど多かったのです…。
このモエかんのVFBもそんな頃の書籍で、当サイトの中身も八割このVFBがソースです。某格闘ゲームの攻略本の如きに、本篇だけではほぼ見えて来ないストーリーや設定が網羅されており、PIXIESの皆さんのビジュアルもこの書籍の為に書き下ろされた設定画を元に二次創しています。再現出来てないけど。
攻略やイベントCGの掲載の他にも、貴広の懐中時計のSS、若い飯島にPIXIES六天の矢矧さんがオラついている(語弊)漫画、登場キャラたちはヒロインのみながら、オリジナルストーリーのドラマCDなどなど、ファンには(多分)必須のアイテム。
A4サイズで大きく、ページがぽろぽろ落ちるのが難点です(古いもので…)。
余談二度目ですが、この書籍掲載のALICE Firstが鎖と十字架に繋がれたビジュアルを何かで偶々目にしたのが、モエかんをプレイしようと思った大きな切っ掛けでした。
・モエかん 萌えっ娘島へようこそ! 設定解説ファンブック
上記VFBのコンシューマ版。B5少し大きめで、ハードカバーになっており、透明カバーもかけられていて何だか豪華。ページも落ちません(個人差
コンシューマ化に当たって追加されたものを含むイベントCGの網羅、追加キャラ萌野命ルート含む全ルート攻略、VFBとほぼ変わらない設定集としての役割も果たせますが、書籍の大きさやページ数の都合もあって、設定ラフ画のサイズは残念ながら小さめ。
VFBの様な様々なおまけ要素はほぼ無いものの、設定資料としてならそれなりに見易い。エロCGが無いので誰でも安心して読めます。
・モエサクラ
モエかすの少し後に同人誌即売会イベントで販売された、モエかん&近日発売予定であったサクラノ詩(旧)のファンブック的存在で、モエかんサイドでは、ファンメイドシナリオ「虜囚の朱」の原文掲載に加えてドラマCDとが付属していた。
公式の同人グッズ扱いとは言えドラマCDと言う事もあり、シナリオに関しては公式監修と判断して良いのではないかと思われ…r…ます。
本篇でもモエかすでも人気のあった敵キャラ、ALICE 12thの朝霧一紗がALICE IN CHAINSに入った経緯がストーリーとなっており、なんと、本篇では無音声、OVAでは一瞬だけ登場の飯島(CVは同じ方)に声が入っていると言う、色々な意味で驚きの一品となっている。
ALICE IN CHAINSメンバーへの漆黒因子実用化に携わったと言う設定の、元LABの科学者と言うキャラも公式によるラフデザイン画が冊子に掲載されており、モエかん世界の設定好きにも見逃せない内容。
・モエかんコミックアンソロジー
マジキューより発売。当時は以下略。個人的に、他の作品で知っている方々が執筆されているのにテンション上がっていました。
人気作品などでは何冊も刊行される事があるのですが、知っている限りモエかん公式アンソロはこの一冊だけだった…ような。
・モエかん リニア編
宙出版より発売された、公式ストーリーのリニアルートをノベライズしたもの。
ストーリーはリニア編を早足でなぞったもので、ほぼリニア視点で描かれているのが本編と大きく異なる点。ざっくり言うならば、モエかんゲーム本編のリニアルートをリニアの視点で見たお話。
…なので、モエかん本編と併読しなければ意味が解らない事だらけで、もしも初見の方が読んだとしたら、どうしてそうなった??これってどういう事??とすっきりしない侭で終わる事請け合い。
会話や台詞や展開は、本篇での貴広視点の部分は当然ながら本篇のほぼその侭。…そうか、所長は他者から見るとこんな絵に描いた様なツンデレだったんだな…。
あと、他ヒロインは本篇より登場率が少ない…と言うか確か数行あったかなかったか程度。
挿絵はアンソロ一枚絵寄稿もされている絵師さん。
リニアルートはリニアの為に貴広が裏で奮闘しまくるのをストーリー的に楽しむ話みたいなものなので、リニア視点になるとこんな薄口になるんだ…、と当時薄ら思った記憶があります。
・モエかん 緊急指令!妹島を攻略せよ!
エンターブレインより発売された、公式設定に基づいたラノベ。…とは言えこれ系の、ゲームの二次創的なラノベは当時よく発売されていたものの、どの程度公式準拠かどうかは作品によって違うのでなんとも。公式の外伝と言う場合もあれば、全くのパラレルや二次創扱いと言う場合もあるので。
表紙は公式の絵師さんの手に因るN0版霧島香織だが、挿絵は外部の絵師さんだと思われる。
当初ほぼ設定のみの存在だったALICE Firstの掘り下げを軸にしたストーリー。ただ、執筆時点で本編発売当初の不完全だった霧島ルートを元にした様で、霧島香織は霧島差異の「妹」で、同様にALICE Firstも貴広の分身ながら「妹」と言う存在となっている。
アリふぁさんの設定をぐいぐい持って来るのか…!と当時すんごいワクワクして読んで、何とも言えない顔になった記憶。
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・2563号島
通称萌えっ娘島。敷地面積三千坪、太平洋に浮かぶ世界の果ての孤島。
絶壁と乱流と暗礁とに囲まれており、入る手段は基本的には航空機の類しかない。
正式名称:無政府資本国家萌えっ娘カンパニー南南部第2563号島「Killing My Business and... Business is Good!」。
護衛メイド最終訓練工程試験連絡洋上訓練所であり、主人公である神崎貴広が所長を務めている。
文字通り世界の涯てで、水力や風力発電頼りで、電話線も無いと言う前時代的な島。大昔の貴族の移築した古い館がその侭施設であり、その雰囲気も内装も中世風。
本社からは通常の航空機なら丸一日はかかるらしい。ニホンニアからも早朝出発で昼過ぎに着くレベル。
>島にはピトフーイが生息している様なので、オセアニア、ポリネシア周辺のどこかの島の一つと思われる。
・バベルの図書館
2563号島の館にある図書館で、世界中の書籍が引き取られ集められたとも言われる広大な施設。
カンパニーの提供するデジタルのデータを信用していない貴広は、趣味の読書に調べ物にとこの図書館を重宝している。
ヒロインの一人である実相寺冬葉が司書の一人として務めており、本篇中もしばしばここの蔵書の世話になったりする。
・NURSERY CRYME(ナーサリークライム
世界の理である五つの根源素より生じ、それぞれの属性を力として振るう事の叶う、さながら神の如き五人の存在。
本来その存在は概念のみとされており、実体を伴ってはいなかったと言うが、いつしか人と同化し顕れた。
覚醒する迄の間は幼生体として永き時間を生きており、この頃の姿形や力、知能程度は人間の子供のそれと変わらない。
>因子の目覚め=覚醒に因って成長のストッパーが外れ、人として一定年齢までは普通に老いて行くが、その後は全く変わらない外見を保つ様になる。(或いは自分でコントロール可能か)
相剋の理以外で彼らを滅する方法は無く、肉体の損傷で一時的に「死んだ」としても何れは再生し蘇る。不老不死且つ理不尽な力を持つ彼らナーサリークライムは、人間から見れば正しく化け物以外の何でもない。
水気:神崎貴広
土気:極東日没
木気:榊千尋
金気:霧島差異
火気:不明
>霧島差異や極東日没とは異なり、少なくとも神崎貴広に関しては「人でありながらナーサリークライムとして覚醒した」と言う設定らしいけれども本篇中特に言及無し。
大正時代に貴広の「前世」の人間が居たと言う要素も本篇中で語られるのだが、前世体と言うものがどう言った扱いになっているのか今ひとつはっきりしていない。結局の所幼生時代を100年近く過ごしていたりする時点で既に、人間と言うカテゴリで考えて良いとは思えない様な微妙な存在である。
この辺りはライターによって設定の解釈や共有が曖昧だった感があるので、深く考えなくて良いかもしれない。
・漆黒
水気の形状のひとつであり別名。貴広の得意とする能力で、彼の異名ともなっている。
基本的には水が漆黒と言う力に変換されて様々な効果を及ぼしている。空気中や人体の水分を凝結させたり、高圧の壁や刃を構築したり、想像力次第でなんでも出来そう。
闇や影と相性が良いらしく、影の中から刃が飛び出したり、影に生じた漆黒の裡で溺死させたり、亡骸を沈めたり(一時収納…?)と言った事も可能。飯島曰く「未だに闇に貴様といる気にはなれん」。
なお、水気のNURSERY CRIMEである貴広には漆黒は一切効かず、他者に付与されたそれも支配下にもおけるらしい。但し要覚醒なのか、リニア篇では漆黒レプリカに刺されていたけど…。
>冬葉篇での長距離移動を見ると、影から影(水から闇から)を渡って移動する事も恐らく出来ている。鈴希の能力として発現しているのとほぼ同種の力で、鈴希も「闇の道は貴広と鈴希の許した人間を通す」と言っている為、陰の気に属する者の能力と言うより、鈴希が貴広の力に影響を受けて存在していると言う事なのだろう。
・カンパニー
萌えっ娘カンパニー。或いは単にカンパニーとも呼ばれる。主人公である神崎貴広の勤め先。
嘗てはACカンパニーと言う名の、科学者集団の主に集まった組織だった。
メイドの生産と育成、人の欲望に対するニーズを主要産業としている、世界規模の会社。
その実態は情報に因って世界を操る、さながら影の支配者と言った存在でもある。
無政府国家と言われ、世界中に大きな影響力を持っており、世界中のあらゆる情報を統率している。
会社運営を行い、政治的に強い取締役会と、会社創設の原動力ともなった研究機関LABの二つの勢力が互いに鎬を削り合っている。
・LAB
上記カンパニーの研究機関であるが半ば独立した勢力と化している。
LABはカンパニーの集めた情報の最終管理と活用を活動内容とし、魔術的ともSF的とも言われる情報収集能力を持つ。正しく世界を密かにデータ化し牛耳る存在。
その隠された目的は金気霧島差異の協力に因る、ナーサリークライムと言う存在の解析と解明。
>貴広も、本人の記憶は消されていて残っていないが暫くLABにて研究解析されていたと思われる。
謂わばラスボス擁する悪の研究者たち。水気の顕現である漆黒のレプリカを創る事までは成功しており、何れは化学が世界の理を越えるのかも知れないと言う示唆もされている。極めて不遜な存在。
LABの構成員たちの正体は不明で、某エヴァのゼーレ的なリモート会議をしている所が本篇中で唯一確認出来るのみ。
・NIN
LABはカンパニーの社内政治に口は出さないが、NINと呼ばれる独自の軍事力を監査室として所有している。
カンパニーの裏で粛清や暗殺を行う事をその主任務としているが、基本的にNINが自ら先に出る事はなく、飽く迄喧嘩を売られたら容赦しない、と言ったスタンスらしい。
その構成員や規模については誰も把握出来ていない。
>カンパニーの様々な部署に、構成員たちがスパイの様に紛れている可能性は高い。
・PIXIES(ピクシーズ
カンパニー特殊情報課伊部隊PIXIES。現実世界に於ける情報収集や奪取を主任務としていた。その活躍は世界中に知られ畏れられていたと言う。…ニンジャ的な何か?
同部署に、呂部隊FARIES、波部隊GOBLINSもある。
2130年に神崎貴広が隊長に就任。四年後に極東日没との戦いに因って壊滅同然となった。
情報部の中でも選りすぐりの教育で育てられたエリート三十六人(三十六天)+αで構成されている。うち六人(六天)に関しては、情報部と言う部署でありながらそれを遙かに越えた、個々が軍事力と数えて良い程の能力を持ったエキスパートたちである。ローテクもハイテクも駆使する彼らの間には、互いに遣り取りをする極秘の通信手段が幾つも存在しており、その仲間意識や協力意識は非常に強い。
>カンパニーの陰に日向にとあらゆる活動に名を残した、いわゆるIMFの様な存在。多分。
然しその実態は、神崎貴広と言うナーサリークライムを育成する為に創られたと言っても過言ではない組織であり、それゆえにナーサリークライムである彼に匹敵する様な、必要以上に大きな力を持った者らが集められていた。
>真霧島ルートに於いては顕著だが、六天は貴広に個人的に従う事となり、カンパニー出自のエリートでありながらカンパニーより離反すると言う状況になる。また、力を失った貴広も彼らと未だ遣り取りをしてカンパニーに対抗したりと言った工作を行っている。
故に、霧島差異的には「悪い友達」を貴広に与えて仕舞った様なものとなった。真霧島ルートに於いて再結成PIXIES六天がN Girlと渡り合う様な存在となったのは大きな誤算であったとしか言い様がない。
・FAIRIES(フェアリーズ
特殊情報課呂部隊。情報世界に於けるエキスパート集団。
現実世界では余り目立たないが、天才的な情報収集能力を持ち、世界のあらゆる機密も瞬時に確保出来ると言う。
・N Girl(エヌガール
「N」は彼女らに振られたナンバーの意味であり、ナーサリークライムの頭文字でもある。
公には社長直属部隊と呼ばれる戦闘メイドの集団だが、その実態は金気霧島差異が自らの力を分け与えた者らに因る、彼の代行部隊でもある。つまりは準ナーサリークライムと呼べる者たち。
N.0からN.12までの13人で構成されており、本篇及びモエかすにはその内、N.3、N.4、N.12、そしてN.0が立ち絵付きで登場。N.6も首だけと言うテキストで一応。
霧島差異に因って力の配分をその都度変えられており、適した能力で適した任務に就く。その為にナンバー数がイコール強さや序列と言う訳ではない。
ナーサリークライムに準じた存在である為に不老不死であり、差異が消滅しない限り彼女らも消滅する事は無く、その再生も消滅も彼の気分次第。
・ALICE IN CHAINS(アリスインチェインズ :1
大文字小文字の表記揺れがあるが気にしない。
表向きにはカンパニーの商品管理部擁する粛正部隊。数多くの強化人間の戦闘メイドが所属しており、言って仕舞えば社内の監察及び法の執行部隊であって、一般社員に解り易く恐怖や驚異を与えている存在。
死の逆十字と呼ばれる紅いエンブレムを装束に染め抜いている。
単なる粛正部隊と言うのは建前で、実際は商品管理部の保持する軍事戦力と言って良い存在。主に強化人間を扱って、粛正の為の暗殺用の戦闘メイドを備えている。その役割が余り多岐に渡らない事、結成時はほぼただの強化人間メイドの部隊だった事もあって、NINやN Girlに戦力的に大きく水を空けられた形になっていた。その為に貴広の認識に因る評価は頗る低い。
・ALICE IN CHAINS :2
PIXIES解体後の飯島はここの室長と言う任に就いている。
現状のALICE IN CHAINSは、水気のナーサリークライムである神崎貴広の分身でもあるAlice Firstの因子を人体改造に用いて、漆黒やナーサリークライムの様な再生及び戦闘能力を持つ兵士を作成・実用化している。
漆黒の因子は人体を破壊するばかりか、その精神性をも破壊して仕舞う。破壊衝動も高まり残虐性が増すので、被験者は酷く不安定で危険な状態になる。
その為、被験者の精神年齢を下げる(子供を用いるなり、或いは…)事で無理矢理に漆黒を実用可能なレベルまで扱える様にしたらしい。
>その影には間違いなく飯島の尽力があるのだが、当人は「失われた貴広の力が、本人も知らない所で人殺しをしている」と言う事実を自分が知っている事に優越感や愉悦を憶えていたぐらいなので、結局は飯島の抱く神崎貴広と言う力の象徴への執着がそうさせたのかも知れない。
Alice Firstに準えて、2nd、3rd…と与えられたナンバー数が純粋に漆黒の因子の保有量と力量差、つまりは階級を表している。本篇には敵役として12thが登場。モエかすには+3rdと9th、コンシューマ版には+2ndが登場する。
またそれ以外の末端要員も、強化人間の扱いで漆黒の因子(ファースト由来かは不明)を僅かながら移植されており、惨いほどの不完全な不死性を一応は有している。
首を切断されても、肉体を砕かれても細胞が再生をしようと蠢くその様を見る限りでは一見完全な不死とも取れるが、損傷が酷いとまともに再生など出来ずに「(意志を司る部位が無くとも)死ねない」様な状態になるだけだと思われる。
セカンドアリス(2nd)である萌野命は14、5歳程度の外見をした人造強化人間だが、その精神は十歳児かそれ未満程度。
3rdに至ってはもっと幼い少女の外見をしているが、知能はそれなりに成長しており、残虐性が際立っている。
N Girlはナーサリークライムの手に因って創られたので、準ナーサリークライムの様な存在として安定しているが、ALICE IN CHAINSのメンバーは謂わば人工的に創られたそれの模倣でしかない。だが、能力や精神が不安定であれどN Girlと力の差があると言う訳ではない。
霧島香織曰く「直接撃ち込むナーサリークライムの力同士なら、属性など関係なく力の上下関係で決まる(要約」。つまり純粋に能力の力押しをしたら、ナーサリークライムの力の保有量が多い或いは強い方が勝つと言う事。
・朱キ日(あかきひ
ナーサリークライム同士の衝突で起こる現象の総称。空が文字通り深紅に染まり、大陸が破壊され沈んだりとにかく大災害のもたらされる様な状況をそう呼ぶ。
十年前に貴広擁するPIXIESと極東日没が衝突した時にこの朱キ日となった。北米大陸が沈み、世界に大きな混沌がもたらされたと言う。
バッドエンドの一つで、怒りに因って再覚醒した(?)貴広がどかーんして終了し、「後に第二の朱キ日と呼ばれた」と言う一文があるのだが、曰くチェックミスだそうで、貴広が怒り狂い力を解放しても朱キ日が起こる訳ではないそうです。
・Jesus and Mary Chain(ジーザスアンドメリーチェイン
本篇より38年ほど前に起きた、通称「世界の滅んだ日」。この日を境に世界は大きく変革の時を迎え、各地で世界規模の戦争や紛争が起こる事となった。
12/25に起きた為に、嘗てはクリスマスとして親しまれたこの日は、今では忌むべき日となり、クリスマスと言う習慣も途絶えて久しいと言う。
その実態は、水気のナーサリークライムである神崎貴広の覚醒した日。
それまで幼生体として過ごしていた貴広に接触した霧島差異が、相生の理で貴広をナーサリークライムとして無理矢理に覚醒させ、それに因って世界中の水気が異常に高められた事で、洪水や豪雨と言った大災害が各地で同時多発的に引き起こされた。
それら自然災害を切っ掛けに戦争が発生したので、貴広は世界を一度無自覚に壊している事になるのだが、本人はその事を当然ながら知らない。また、世界的にも原因がナーサリークライムであったと言う事は伏せられている。
・中央島
2563号島から大凡数百キロ。航空機ならば一時間かからず行き来可能な距離にある、南南部方面の離島を統括している島。通信回線も物資輸送も全てここを経由する。
軍事的にもカンパニーの南南部方面の要であり、その外見はコンクリートで固められた巨大な島。その見た目からか要塞島とも呼ばれている。
本篇開始時の島の管理長は検見川宗次係長補佐。
・大柴信和
商品育成課課長。立ち絵がちゃっかり用意されているオッさん。
貴広の直接の上司に当たるのだが、十年間互いに全く面識のない存在だった。
取締役会の権力拡大と、目障りな神崎貴広の排除と言う目的もあって、社内一斉粛清にがっつり乗っており、態度は非常に横柄。使えない人間は処分して仕舞えと言うスタンスで、自分より弱い者を嬲るも殺すも躊躇いなどなく、貴広の傷口を踏み躙ったり、かずさを甚振ろうとしたりと、かなりサディスティックな性格。
だが、勝ち目のある戦と見ていた筈が状況の変動に焦り、話が違うとばかりに尻尾を巻いた小者。
冬葉篇での「商品管理部の本部長」とは別人と思われるが、偉そうで上から命令調子の上司のオッさんと言う所は一緒。どうも貴広は上司に恵まれないらしい。
・水野政策部長
貴広の若い頃の師で、才能を伸ばしていく彼を特に可愛がってくれた親代わりの様な存在だったらしい人。…その割に貴広は「水野」と呼び捨てにしてるけど。
戦術や戦略に長けた武闘派幹部で、幹部連でも上位の実力者として知られている。
かずさ篇と鈴希篇では朝霧がその名を出して、彼からの命令だと言って貴広に護衛メイドを付けて行動監視と抑制を行った。
朝霧は貴広の暗殺に送り込まれていたので、暗殺計画に水野が関わっていたかは不明だが、貴広にとって断り難い名前である事は確からしい。