OVA/モエかん
もえかんじあにめーしょんツッコミ感想記録。
飽く迄いちファンの個人的な感想やツッコミですのでその点ご了承下さい。
※本編スクショを引用しておりますので、問題が生じたらそっと消します。


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●Chapter2:かずさ

リニア篇中盤までをベースにした話。
けれど肝心のかずさの設定などには一切触れないので、話としては貴広が命を狙われ始め、それを守りに来た謎のメイド少女かずさの謎の謎の謎と言った所。
この巻が一番作画がまともな気がします何となく程度に。ツッコミ所は他巻と同様ですが。


唐突にヘリで一人降り立つかずさから始まります。




一方貴広は今回もまた魘されていました。
矢張り朱キ日の悪夢の様ですが、今回は具体的に朱の空とそこに立つ極東日没の姿。


余程極東さんがトラウマだった様で叫んで飛び起きますが、前回の寝間着はどこにやったのか、原作再現の真っ裸スタイルで就寝していたもよう。


夢か、と安堵した手がおっぱいを掴み、よく見ると素っ裸のおんなのこが隣に伏しております。
全く動じずに「誰だ」と問う貴広。
矢張り元情報部のエリートはあらゆる事態にも動じないのですね。
原作通りにかずさがあれこれと誤解を招く表現をブチかまして来るものの、依然として貴広全く動揺無し。勿論心当たりを考える素振りも無し。
この、今更女の子の全裸を見たって、程度の、恥じらいを覚えたり目を逸したりとかしない辺りが年齢や人生経験、平常心を保つ訓練とか受けてたんだな感を想像させますね。




然しそこにリニアがやって来て誤解するのに俄然慌てだす所長。
おいこら急に素に戻るんじゃない。台無しだろ。


悠然とぱんつ見せながら着替えたかずさの、その服装がALICE IN CHAINSのものと気づくなり、貴広はそれを不審げに問い質します。
本社の監査部の粛清部隊。それがこの島に何の用なのだと。
然し、真っ裸でシリアストークを決め込んでいた事をかずさに指摘されるなり、貴広は真っ赤になって画面暗転します。
…何だ、所長乙女ですね?おっぱい掴んでいても動じなかった男が…。

*

霧島も書類で確認をし、かずさが確かに本社から来たメイドであるとは判明したものの、何の用件なのか思い当たりがなく訝しむ貴広。


かずさは粛清ではなく貴広の護衛に来たのだと言い張り、護衛などいらんと言う貴広と子供じみた言い合いをし始めて霧島さんに両成敗食らいます。
結局霧島さんの取りなしによって、護衛云々はともかく、シェフの資格を持つかずさは一旦厨房務めと言う事に落ち着きます。
霧島さんの剣幕と迫力に、貴広もかずさも敬語で承服。かわいいか?

*

戦闘メイド部隊のALICEの人間に料理などと言う繊細な仕事が出来るのか?
相変わらずの家政婦スタイルで覗き見する貴広。




かずさは、何故この島に発注されたか謎でしかない巨大マグロを鮮やかな大道芸…もとい手際で解体&盛り付けし、目玉焼きもそこに添えて朝食を作り上げます。


貴広は胡散臭そうに食事を見つめつつ「問題は味だ」と白米を口にし、「うまい」と驚き正直な評価を出します。
繰り返します。白米を食べて。
簡単な献立でも旨いものだと感心する貴広ですが、刺し身と白米と目玉焼きで何が解るのでしょうか…?
唯一個性の出そうな味噌汁は、作っている場面も箸をつける場面もありません。
カンパニー食の無味な想像が捗りますねこれは。


美味しかったと、今度は食に絆され立ち去る貴広と、それに続くリニアを意味深な眼で見送るかずさ。

*

深夜の島を如何にも怪しげな目出し帽の男が逃げていきます。


男は追っ手に向けて、スコープを載せたARの振り向き走行しながらの片手打ち、しかも集弾率と手ブレの無さが半端ない妙技を魅せつけます。
然し素早く動く追っ手にはまったくかすりもせず、男は頭を蹴られてあっさりとダウン。


一連の作業をこなすメイドの正体はかずさでした。
矢張り彼女は粛清部隊の人間なのか。その眼は冷たく無表情に見えます。

*


打って変わって平和な朝を満喫する貴広は、木の上で眠っていた、何故かちょっとぼろぼろのかずさを見つけます。
護衛をしていると言いながらもおちゃらけた態度を取っていたかずさは不意に足を滑らせ転落し、下に居た貴広は何とかそれを受け止めるものの、片足では支えられる訳もなく一緒に転ばされます。


リニア篇でもこんな事やらされていましたね所長…。
起き上がる時と座り直す時に右足を重そうに扱う辺り芸コマ。
けど立ち上がったかずさが脱ぎ捨てた筈の靴を履いてる辺り手抜き。


こんな高さでも落ちたら死ぬかも知れないと叱責する貴広。
「死」と言う言葉に本気で凹んで謝り、仕舞いには泣き出すかずさ。
いつも元気で飄々としたかずさのそんな様子に、貴広は慌てて宥めに入ります。
所長一巻から性格変わりすぎですね?
リニアが来てから変わったと言う流れなので、原作と異なって何ヶ月も経ってるとかそう言う感じでないと説明つかない急変ぶりです。



そんな二人を目撃したリニアはもやもやとした感情に囚われるのでした…。

*


翌朝。再びヘリポートに飛来したヘリから降り立ったのは、犬一頭。
かずさの時とかぶせているのですが、どういう状況なんだよと職員やヘリ搭乗員にツッコミたくなって仕方ない。


また魘されて目を覚ます貴広。
どうも最近夢見が悪いと愚痴りつつ見れば、今度は目の前にでかい犬がいました。


然し全く動じず「誰だ」と問う貴広。
矢張り情報部の元エリートはあらゆる事態にも動じないのですね…(二度目)。


どうやらあの犬は、本社が軍用犬としての調教をしろと送り込んで来たらしいです。それも15歳と言う長老犬。
霧島さんも何かの間違いかもと唸り、貴広は本社の連中は何を考えているのだと溜息。
…まあ実際多分にイヤガラセと言うのが濃厚ですよね。
然し「わう」程度の台詞しかないのに何故かピッ○ロ大魔王っぽい大御所ボイスの犬を送り返す訳にもいきません(?)。


鈴希が犬の名前を問い、適当につけろと貴広が返すと案の定、
「犬」と返ります。
もう少しひねれ、と投げ返すと鈴希は、
「ひねた犬」と返します。


埒が開かないと諦めた貴広は、老犬をじっと見つめて「井上先生」だとドヤ顔で名付けます。
この時ちゃんと杖を持ち替えながらしゃがむのが芸コマです。
井上先生はメスなんですが、取り敢えず誰も井上先生命名に反対せず、井上先生自身も喜んでいるみたいなのでヨシとしましょう。
貴広のネーミングセンスの謎の説明(「井上先生は先生だから偉いんだぞ」)が無いのが惜しまれます。

ところでこの井上先生、OVAでは声と爆発作画も相俟って、ニーナとアレキサンダーを通り越したクリーチャーになっていて何とも言えない方です…。


そこに現れるかずさでしたが、井上先生を見るなり古典的な動きで逃げ回り、井上先生もそれを追い回してえらい事に。
貴広はそれを見ておかしそうに笑うのでした。
一巻までは「人前で笑うなんて見た事がない」言われてた人がこの変化です。

*


かずさの犬嫌いは度を越しており、毎日の様に逃げ回って騒動を起こします。
堪忍袋の尾が切れた貴広は、かずさの犬嫌いを井上先生と対面させる事で無理矢理克服させます。
荒療治にも程があるのですが、ともあれかずさは井上先生に敵意がない事を知り、心を開きます。


すっかり仲良くなった井上先生とじゃれて遊ぶかずさの姿は、島の平和を象徴しているかの様でした。

*


然しそんな平和な日々を壊す様に、夜に動力付きのゴムボートで島に向かう、怪しげな目出し帽二人組の姿が…。
いやまってこの島は海流が複雑で船では近づけないって設定…、
いやそれ以前に音でバレるだろって…。


リニアの入れたお茶を飲んで仕事終わりを寛ぐ貴広。
そこにかずさが慌てて飛び込んで来ました。どうやら井上先生が体調を崩したらしいです。
冬葉は笹木先生同様に「私は獣医じゃないんですよ」と言っても良い所ですが、井上先生を診てくれました。
そして水浴びをした事が原因で井上先生は風邪を引いたのではと診断。老犬だから風邪でも油断は出来ません。
一緒に水浴びをしたかずさはショックを受けて落ち込みます。



落ち込んだかずさは、自分を励ましに来たリニアに、死をどう思うのかと問いかけます。
リニアはアンドロイドだから死なない。だからそれは生きていない事なのかと。
リニアは迷いながらも、貴広さんがお茶が美味しいと言ってくれるのを嬉しいと感じるから、そう感じる自分は生きていると思うと伝え、かずさもそれを聞いて改めて自分自身の生も実感します。
井上先生に貰ったものを受け止めている自分は確かにここに居て、生きているのだと。
………いや、これも原作の設定を思うと普通に解るんですけど、このOVAのかずさは猫又であって不死の存在である設定上の事実が一切語られていない為に、唐突に何を言い出すんだ??としかならないのですよ…。
死を嫌いトラウマがある、だけどそれが解らない。貴広を守ろうとする理由も解らない。
…まあ原作知らないファンが買うアイテムでもないからいいのでしょう。うん(投げた)。

そこにやって来た冬葉は、かずさに、風邪に効く薬草の生えている場所を本で見つけたのだと教えてくれるのでした。



その頃井上先生は危篤状態に陥っていました。
貴広がかずさはどこへ行ったのだと呻いていると、戻ってきたリニアと冬葉から、かずさは薬草を探しに灯台へ飛び出して行って仕舞ったのだと聞かされます。


すぐに探しに行こうとする貴広。
そこに爆音が響き、妙にぬるっと動くコマ数で振り向いた貴広は、音の出どころが灯台だと知るなり、かずさが危険だと慌てて飛び出していきます。
皆もその後に続き、残された井上先生も苦しそうにしながらもそっと身を起こすのでした…。



*


かずさはやはり暗殺者たちと対峙していました。
丁度よい塩梅に暗殺者の足元に薬草が生えています。ナンダコレ。
暗殺者たちはかずさが手をかけずとも、失敗する度自決していた様です。
何故彼らが命を捨てるのかが理解出来ないかずさ。死は何もせずとも誰にでも来るものだと言うのに。

崖上に辿り着いた貴広は、暗殺者とかずさとの会話から、自分が本当に狙われていたのだと驚愕。いやいやいや。


俊敏に動き回るかずさに、サプレッサーもなしにフルオートARをやや腰溜めでブッ放す暗殺者たち。派手に銃声が響きます。薬莢も派手に散…、ってないけどまぁいいか…。
…あれ、暗殺者ってなんだっけ??

銃撃ですかさず援護に入る貴広。銃弾はかずさを狙っていた暗殺者のスコープを綺麗に破壊します。

右片手でリボルバー構えて左手で杖ついて体支えると言う芸の細かさ…!
それにしても夜の視界悪い中、足元覚束ない上に崖下と言う角度に向けたハンドガン片手打ちでよくスコープだけとか狙えますね…?流石は元特殊部隊のエリート…。うん…。
周囲の女子たちがシュールですね…。何してんでしょうか…。

然し暗殺者たちの本命はかずさではなく貴広。
彼らは目標を貴広に切り替え、なんと靴底に仕込んだロケット噴射機の様なもので崖上まで急上昇。
笑い転げずにはいられない迷シーンですね。
どうやってバランス取っているのでしょうか…。
人間一人浮かばせるだけの出力があったら間違いなく、垂直上昇する前にバランス崩れて明後日の方角にフッ飛んでいると思われますが…。
きっと何かカンパニーの超技術があるのでしょう。うん。


上昇し、超体幹で空中で綺麗にバランスを保ってスコープ越しに貴広に狙いを定める暗殺者。
いやいやいや、普通にさっきみたくフルオートで発砲してれば事足りるでしょうが…!


慌てて崖下から身軽にジャンプして来たかずさの存在に気を取られ、一人は背中から包丁に斬られてやられます。
標的を前にして素人か!
明らか峰打ちではないので死んでいそうな演出ですが、大丈夫なのでしょう。

仲間が倒れても気にせず、残る一人もスコープを覗き込みます。
…あれ、さっき撃ち抜いたスコープどこいった…?

そしてご丁寧にも貴広が銃を構える位置に照準を合わせて待ってくれる優しさ。
何故致命傷部位を狙わず銃を弾いてあげるのでしょうかねこの暗殺者さんは…。
狙わずフルオートで以下略、トリガー引きっぱで片付きそうなものですが…。
ちゃんと杖で腋支えてますね。両手打ちの精密射撃には向かないでしょうけど…。

銃を弾かれあわやと言う所で、かずさが割って入ります。
更にそこに、病の体を引き摺って来た井上先生が飛び込んで来ました。


銃弾に倒れる井上先生。
かずさは二人組に、島から出ていかないと本当に殺すと恫喝。
諦めた暗殺者たちは、島からそそくさボートに乗って帰って行くシュールな光景の中、そっと爆発し水柱を立てるのでした。
貴広はそれを見つめて、失敗したら死なのがカンパニーなのだとクールに語りますが、その背後では井上先生が息絶える所でした。泣きじゃくるかずさ。

*


海の見える丘に井上先生のお墓が建てられました。
夕暮れも相俟ってまるでジャ○ラの記念碑の様です…。


そして最後の最後で笑わせに来るのがこの墓石です。
しんみりした空気になぞなる訳もない。
日本語で「井上先生」って書かれているだけでもアレなのに、加工丸出しのレリーフでもうシュールさすら通り越しました。


笑って仕舞いそうになる墓石を前にかずさは、かけがえのない人である貴広を守る事を密かに誓います。
…が、先述通りにかずさが何で貴広を守ろうとしているのかが一切語られていないので以下略。


リニアは井上先生の墓碑を見つめ、苦しい事や悲しい事があってもこの島が大好きなのだとそっと心で呟いて纏めます。


貴広もふと遠くの空を見つめて、荒れそうな不穏さを想起させる空模様に、一雨来そうだと硬い表情でつぶやくのでした。

*


その頃、遠く離れたカンパニー本社では、相次ぐ暗殺者の失敗を受け、井上先生によく似た声の幹部らしい男が、何者かの発案による計画書にゴーサインを出していました。


…いやあからさますぎだろ!極秘扱いですらないんかい!


君の好きにやれ、と言われ、そっとほくそ笑むのは、貴広の嘗ての部下である飯島でした。

一巻では出てこなかったけど、この後飯島が島に乗り込んで来てネチネチと貴広とのバトルになるのだな!!
……と期待させた二巻の罪は重いです。



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この巻だけ毛色が違います。
かずさと言う別ヒロインにスポットを当てた為にリニアが蔑ろにされがちですが、要所でフォローは強引に入れていきます。
肝心のかずさの設定には一切触れない為に、この巻はどういう扱いなの…?と首を傾げたくなるやつです。
いっそ完全にリニア篇に三巻とも振っていればよかったんじゃないんですかねえ…?

作画崩壊が激しい部分とまともな部分との差が結構激しく、かと思えば大きく動く動画部分は無駄に細かい部分もあったり、何かと安定しない巻です。

えろげ原作を思い出した様に突然おっぱいやぱんつの描写が出て来ますが、一番肌色出しているのは貴広です確実に。

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