OVA/モエかん
もえかんじあにめーしょんツッコミ感想記録。
飽く迄いちファンの個人的な感想やツッコミですのでその点ご了承下さい。
※本編スクショを引用しておりますので、問題が生じたらそっと消します。


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●Chapter3:貴広

リニア篇終盤をベース…と言えない程度に完全オリジナル展開。
リニアの謎も隷の謎も何一つ解けない儘、カンパニーの貴広暗殺計画も何もかも安易に力技で解決されます。
おまけにこの巻の作画もシナリオも、最後だと言うのに一番色んな意味で崩壊しています。
逐一突っ込むとキリがないので正直断念して良いレベル…。
原作好きであればある程心がべっこべこに疲れ果てます。憤りにすら至らない。


いきなりのおやじさんスタート。
前回の引きは何だったの?と言うぐらい唐突に、飯島の名も彼からの連絡も無しに、リニアを諜報用メイドにしろと本社から命令が来たらしいです。
恐らくは狙いは貴広が命令を突っぱねる事に因る粛清と言う大義名分だと、おやじさんも霧島さんも言います。
が、リニアをこの儘見捨てる訳にはいかないのも事実。



自分にはもうナーサリークライムの力などないのにと自嘲する貴広に、本社にはそう思っていない人間が多いのだと霧島さん説明。
というかナーサリークライムってワード初出じゃね…?勿論説明ゼロです。


考える間もなく拒否決定の貴広。おやじさんはそれに乗っかり、この島は元米軍の要塞だったし、設備もちゃんと整えていると言いますが、霧島さんは無責任な事をと叱りつけます。
…えっこの島そんなんだったっけ…?そんな危険な所に世界で一番危険だった人を幽閉する訳ないのでは…。と言うか洋館の意味が解らんでしょうが…!

所長には島の皆を守る義務があると諭す霧島さん。
然し貴広の意志は固く、皆を避難させる手はずは既に整えてあるから、自分は一人で戦うと格好良く去って行きます。
でもその割に霧島さんに迎撃作戦を頼んだりとブレっブレですよ所長…?



そんな厳しい決断の後だと言うのに、朝の中庭で黄昏ていた貴広は、気さくにメイドたちから挨拶をかけられ「おはよう」と超爽やかに返しています。
……えっっ、ほんと所長一巻から三巻までの間に一体何があったんです…?!
突然の柔和な態度に、メイドや職員たちの敬遠の気配もゼロに変わってますよ…??
そんなこんなでメイドたちに、幸せそうな顔をしていたと指摘される貴広。意味が解らずきょとんとしますが、メイドたちは「絶対いいことあったんだよ所長ー」とJKの様なノリで去っていきます。


そこにリニアが来て、籠いっぱいのあめちゃんから、青色の包みの飴を貴広にくれます。
なんで青?と言う貴広の問いにリニアは「貴広さんは青く澄んだ空の様だから」と答え、貴広はますます困惑します。
多分に原作での、二人で空と風と雲を見る要素を感じさせるエピソードを入れようとでもしたんじゃないですかね…?
正直意味解らないなと言う顔をしているのは貴広だけではなく視聴者もです多分。
それにしてもこのOVAの所長は食べ物に懐柔されすぎですね…。

*


その頃図書室で霧島さんは、作画崩壊しつつも、リニア以外のいつもの皆に島からの退避についてを話していました。
納得がいかない皆に、リニアの事だろうと指摘され、詳しい説明を求められる霧島さん。
皆さんの言葉遣いや洞察力が訳わからんことになっております。
リニアを犠牲にしてでも所長を守りたかった自分に嫌悪した霧島さんは泣き出して仕舞いますが、所長の単独命令違反プランを皆に話す事にしました。
…いやなんで?


*


貴広は不気味な、天に向けて手を伸ばす様な枯れ木を抱く、荒涼とした荒野を歩いていました。
義肢も不自由にひとりきりで歩き続けるものの、やがて疲れ果てて座り込みます。
何もないモノクロームの寂しく不気味な風景は貴広の心象風景か何かなんでしょうか…?


やがてそこに現れた少女が、貴広に懐中時計を手渡します。
それは隷が置いていったあの時計の様でした。
少女は、貴方のものだから、返す為にずっと探し続けていたのだと言います。
手のひらに置かれた懐中時計を開くと、時計は静かに、でも確実に時を刻んでいました。
思わず貴広が少女を見上げると、帽子の下に覗き見えたその顔はどこかリニアに似ていました。


飛び起きる貴広。…あれ、また寝間着着てるんですね?
夢の意味はよく解らない。咄嗟に枕元に置いてあった懐中時計に視線を投げますが、その時は矢張り止まった儘でした。



*


本社からの回答期限より大分早く、おやじさんは迎撃システムの設定を完了させてくれました。
礼を言う貴広。軽口を投げて、軽口で応じる二人。
いざとなったら灯台の地下に隠してある水陸両用のビークルで逃げろとも勧められます。
おやじさんどんだけ準備してたんだよ…。一晩でやってくれたレベルじゃない。


島の職員たちには避難訓練と言ってあります。
輸送ヘリで全員を逃し、最後まで渋るリニアも命令調子で行かせると、貴広はひとりきりの戦いに向かって歩き始めるのでした。


あれだけ賑やかだった人々が去り、すっかり陽の沈んだ館は静かでした。

貴広は静寂の中に、メイドや職員たちが自分に親しげに笑いかけてくれている光景を見て思わず手を伸ばしますが、幻は儚くも消えて行きます。
……いやいやいや。所長あなた一巻の時点でめっちゃくちゃ敬遠されてましたよね同じ背景の場所で。
幻の中で超気さくに話しかけられていますが、二巻の間に何をどうすればこんな慕われる所長に変貌出来るんですか!?
いきなりこんなハートフルになると、友達居ないのを拗らせて過去を美化しちゃってる人みたいじゃないですか…。
幾ら最近所長が変わったと言っても、あれだけ畏れられていたのがそんな急に皆が気さくになるって凄すぎませんかね…。
リニアとかずさの補正なのか何なのか…、それともリニアが来てから何ヶ月も何年も経っていると言う設定破りなのか…。


消える幻の中で力なく座り込んだ貴広は、
「自分には幸せになる素質なんて無いと思っていたが、俺は今まで幸せの中に居たのだな」
と原作とほぼ同じ台詞をこぼしますが、いやだからね、過去の説明がないと突然何言い出すんだこの人はって感じにしかならんやつで…。



そこに、やっと気付いたのかと言って現れたのは霧島さん。と、冬葉とかずさと鈴希。
おやじさんまで「貴広さーん」と戯けてそこに居ました。
君ら貴広の恥ずかしい寂しがりをこっそり見てたんか酷いな。

驚いた貴広は、霧島が皆に話したのだと気付いて責める言葉を投げかけますが、皆は自分の意志で貴広の側に居たいのだと言い切ります。
おまけに逃した筈のリニアまで残っていました。
結局全員ですね。


苦々しい表情の貴広。おやじさんは、お前の負けだと言って笑いますが、結果的に皆を巻き込む事態に貴広は憤り寄りの呆れの溜息。

折角だから戦いの前に記念撮影をしようとおやじさんがカメラをセットします。

「何故戦いになるんでしょう?」と今更の様に気づくリニアを誤魔化した所で、タイマーに間に合わず慌てて飛び込むおやじさん。おやくそく。
それにしても記念写真と言う絵なのに、作画が素晴らしく崩れております。


*


戦いのよくわからん準備に追われる皆。主に霧島さん。
一人で戦うと宣っていた筈の貴広ですが、寧ろ邪魔扱いをされて、リニアにお茶でも入れて貰おうと厨房へ向かいます。


お茶を頼む合間、貴広は隷から渡されたあの懐中時計を見ます。
隷に貰ったと言うそれに興味を示すリニア。
リニアは止まった懐中時計を、自分の様だと言い、大事にしてあげて欲しいと貴広に言います。
貴広は寸時夢の光景を思い出しかけるものの、答えには辿りつけませんでした。


*

0時ぴったりの回答期限と同時に命令拒否を送信します。
島の周囲は既に艦隊や潜水艇に囲まれていましたが、送信ボタンを押した直後、レーダーで補足していたそれらが一気に数を増やし敵反応となりました。

艦隊や潜水艦から大量のミサイルが館に向けて飛来しますが、バリアと言う謎技術によって生じた半透明の障壁で防ぎます。
いやいやいやいや…。
投光器みたいなもんだけで物理的衝撃を全て遮断出来る、物体ではない壁って一体何技術…?
ミサイルを風圧で叩き落とす、神風の伊勢でも居るんですかこの島…?


迎撃システムであるOAMを起動させるおやじさん。
OAMって何ですかと問うリニアに、「オートアタックモード。動くもの全てを無差別に攻撃する」と説明する貴広ですが…、
おーとあたっくもーど…、Auto Attack Mode…。……O????
『OAM』って本当に何ですか…?オートがローマ字なの?


これだけでも視聴者の顔は引き攣っている事請け合いですが、更に、起動した『OAM』に因って島の至る所、灯台周辺からもハリネズミの如く飛び出して来る砲身の山のご登場です。

然しまだ笑いへの攻撃は止まりません。
おやじさんが『OAM』のスイッチをオンにすると、

マク○スばりの幾何学模様的な軌道を描くミサイルが大量に発射されます。
ミサイルは海上を一掃。
……えーとこれ何の作品だっけ…?
ていうかここまで本社と明確に戦争して勝ち目とかないですよね…?


海上は一掃されたものの、潜水艇からアンドロイド兵がどんどこ上陸してきます。


このちょっとレトロな、スーツやネクタイを模した如何にもカンパニーな社畜デザインのアンドロイドくんたち、隊長機だけカラーリングが違ったり、コンビネーション決めてハイタッチしたり、勤勉に腕時計をしていたりと、なんか妙に可愛い子たちです。怖いけど。



白兵戦に移る事になり、なんか凄い銃持ったおやじさんや張り切ったかずさたちが出ていきます。
自分は何をすれば、と言うリニアに、「俺とここにいるんだ」と告げる貴広。


そんな二人を霧島さんは少し淋しげに見つつ、出ていきます。


おやじさん、鈴希、かずさがアンドロイド兵を食い止めるものの、一体が所長室に到達します。

神崎貴広と言う標的の発見にアンドロイドの様子が変わります。
情報共有しているのか、他の場所に居たアンドロイドたちも一気に所長室へと押し寄せていきました。


机の陰で防戦しつつハンドガンでアンドロイドと戦う貴広でしたが、左肩を貫かれ負傷。
バリケードにしている机を貫いて来ているんですかこの弾…。
よく今まで蜂の巣になりませんでしたね所長…。


皆がアンドロイドの行動が変わった事を受け集まって来ていたので、所長室からの撤退を決めます。
…というか冬葉が重火器持ってるのって…。うーん…。

灯台に準備してある脱出艇に向かう事にしますが、貴広は一時的に失血で貧血になったのか気を失って仕舞います。
主人公の癖に守られヒロイン度特に高いんですがこの巻…?


*


一旦メンテ室に戻って手当や休憩のお時間に。
脱出用の、灯台への抜け道とやらはメンテ室にあると言う設定なんでしょうかねえ…?
冬葉はヒーリング能力があるのかないのかよくわからないですが、皆戦いに疲れ切って仕舞っています。
貴広はそんな様子を見て、この戦いは負けると確信します。
元より島の戦闘モード全開でも勝率30%とか言っていたので、そこに女子供の白兵戦が加わった所で…ねぇ?
嘗てはPIXIESと言う人外部隊を率いた男が、よもや女子供に戦って貰うとか思いもよらん話でしょう…。

皆が傷ついているその光景に耐えかねたリニアは貴広を責めます。
どうしてカンパニーと戦争なんてしたのだと。もう皆が傷ついていくのを見ていられないと。
まあよくあるやつなんですが、当然言えない貴広。


そこに鈴希が、貴広の制止を振り切って、リニアを守る為に皆こうしているのだと暴露します。
この場面だと鈴希GJです…。

自分の所為で、と流石にショックを受けるリニア。
自分なんて生まれて来なければよかったのだとまで極端に落ち込みます。
貴広は、連中の狙いは自分だと言い(なんだかんだで最終的には正しい事ですが)、皆も口々に、リニアの為だけではなく、自分の大事な人を守りたいと思っただけなのだとフォローします。
デレモードに入った貴広はリニアに、生まれて来なければよかったなんて寂しい事を言うなと諭します。
ひょっとしたらいい場面なのかも知れませんが、この辺りツッコミ所とお笑い作画がとどまることを知らないので感情がついていけません。


*

話がまとまった所で一行は地下通路を通って灯台へと向かいます。
用途不明過ぎるけど便利なトンネルですね…。
その道中で貴広は改めて己の不甲斐なさと無力さを噛み締めます。
ナーサリークライムの力さえ失っていなければ皆をこんな目には遭わせずに済んだのに、と。
…いやそれはそれで、皆にそもそも会えないどころか、貴広は皆を気遣う様な人になって無かったと思いますよ多分…。


そこで貴広は懐中時計を落として来た事に気づきます。
恐らく先程撃たれた時に…。
諦めようとする貴広ですが、リニアが取って来ると言って、止める間もなく走って行って仕舞います。
貴広は止めようとしますが、肩の負傷の痛みに手が届きません。
いやいや貴広が止めてるんだから誰か止めてやってよ…!


所長室で懐中時計を拾うリニア。
然しその背後からアンドロイド兵士が…!


すかさずリニアは戦闘モードをオンにします。
この、振り向いて瞬きした所でカッとなるの、アンドロイドっぽくて良いですね。


*

貴広たちは灯台付近に到着しますが、リニアはまだ追いついて来ません。
お腹を空かせた鈴希に、朝リニアに貰ったあめちゃんをあげる貴広。
飴玉見つめて「リニア…」と少し微笑む所長に、状況考えましょうね?的なもどかしさを憶えないでもないですね。
…というかこのシーンいる?


先に脱出艇を確保した方が良いと言うおやじさんの現実的な進言に従い、一行は灯台に向かいます。
………灯台…??
なんかバベルの塔とかポッキーとかネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の砲身とかそういうビジュアルに脱力させられます。

然しその頃所長室では、リニアにフッ飛ばされたアンドロイドが最後の力を振り絞って、『OAM』をオンにし直していました。
一旦オフにして皆が行動しにいった演出がないものだから、軽く混乱する場面です。


スイッチがオンになるなり、再びマ○ロスばりのミサイルが、灯台付近で動く貴広らに向けて飛んで来ます。
いやなんで、動いているものが標的なのに、アンドロイド兵たちのところに飛ばないんですかこの『OAM』は…。


弾幕が凄まじいので一旦茂みに何故か一列縦隊で飛び込む一行。
貴広も、やっべ!と思ったのか、ほぼ杖に頼らず走っています。
やれば出来るんですね…。


灯台へは『OAM』の凄まじい弾幕で近づけません。
…いやだから、動いているものを自動攻撃するシステムなのに、何で何も動いていない灯台に向けて攻撃が続いているんですかね…。

かずさが、自分が行って乗り物を確保すると言いますが、貴広は、あの弾幕ではかずさでも回避しきれないと判断し止めます。


然しそこに、穏やかなBGMと共に戦闘モードで青オーラを放出しながらリニアが歩いて来ます。
ナンデ?何で歩いて来るんですか!
ふらつきながら歩いて行くリニアの周りにミサイルがガンガン命中しますが、リニア本体には当たりません。なんだこの命中精度は。
茂みに隠れながら貴広が制止するのに、何故かここに来てリニアは戦闘モードを切ってゆっくり歩いて行きます。
いやだからなんで!?

何故お前は痛みや苦しみに耐えるのだと叫ぶ貴広。
いやいやそれ貴広に寧ろ言いたい台詞だと冬葉は思っているんじゃないでしょうか…?
リニアは、自分にはそれしか出来ないからと言って歩き続けます。
いやだからお願い走って?それとも走った方がセンサーに補足されて当たり易くなっちゃうの?

ツッコミが止まりませんが、あと一歩で灯台。
「貴広さん…」とリニアは呟きますが、灯台は貴広さん違うからね?
灯台に貴広さんいないからね?
貴広さん後ろの茂みにいるからね?


その時、遂にミサイルが近くに直撃し、衝撃にリニアハンドを引き千切られながら吹き飛ぶリニア。
倒れるリニアに杖をつきながら駆け寄る貴広。
…どうやら走ってもミサイルの命中精度は変わらない様ですね。この島の『OAM(笑』の精度もの凄く悪いらしいですね…。
何で歩いてたんでしょう?最初から皆で走って行ってください…。
と言うか足引き摺り貴広でもミサイルに当たらず近づけるのだから、かずさの速度なら余裕でミサイル全回避して灯台に辿り着けた気がします。


どうしてこんな姿に…!と叫びながらリニアを抱き起こす貴広。
いやだから君らが歩くリニアを黙って見ていたからそんな姿になったんですよ…!?
己の無力さを嘆く貴広に時計を渡して機能停止するリニア。
そこに集まって来るアンドロイド兵たち。



それをゆっくりと睨み据える貴広。
…あっこれ完全に八つ当たりするやつですね。


黒い闇を纏った貴広がゆらりと立ち上がります。
貴広の気配が変わった事に気付いたのか、アンドロイド兵たちが銃口を向けますが、射殺さんとばかりに炯々と光る、モノクロームの世界に揺れる紅い瞳。




スーパーサイヤ貴広の様に吠える貴広。
そこから生じた闇がアンドロイド兵たちを飲み込んでいきます。
モノクロームの世界に渦巻く闇。
あれは一体何なのだと叫ぶかぶさに、おやじさんは、貴広が復活したのだと言う。
あれが、漆黒の神崎だと。



貴広の感情に呼応した漆黒が世界を包み、やがて萌えっ娘島に雪が降って来ました。
その日始めて萌えっ娘島に雪が降った──
とナレーションされるものの、漆黒=冷気=水気=世界の根源、と言う説明がないと、貴広が「うおおお!」したら真っ黒になって雪が降ると言うよくわからん展開にしかなりません。



雪は遠く離れたカンパニー本社にも降っていました。
貴広の復活=軽くJesus and Mary Chainと思うと雪ぐらい降らせて仕舞うでしょう。


貴広の復活を悟った隷は、「次は僕の番だね」と意味深に呟きます。
……が、この展開で隷の出る要素は果たしてあるんでしょうか…?
いやまあ続かなかったからただのフリで終わりなんですけど…。


*

萌えっ娘島は復興の只中にありました。
……壊れすぎだろ?!と言うぐらい破壊し尽くされており、職員たちが頑張って片付けているものの、当分業務どころか生活も大変そうです。

……いやあ、漆黒復活したとしたら本社からそれこそ刺客じゃ済まないあれこれが来ますよ?
と言うかカンパニーに離反した事実は変わらないのにどうやって社員職員戻って来る流れになったのでしょうね…?普通はまるごと粛清ですよね…。
カンパニーに反抗的なナーサリークライム神崎貴広が復活したと言う状況になれば、取締役会主導で島一つ吹き飛ばしに来てもおかしくないレベルですよ…。

或いは飯島が実は貴広の復活を目論んで仕組んだ事で、暗殺計画に判を押した中央の人間だけが罪を着せられ粛清されて、貴広はお咎めなしみたいになりましたってオチなのかも知れませんけど…。

そんなモヤモヤ想像はさておき、貴広は懐中時計を抱いたリニアの眠るカプセルの前に居ました。




皆が待っているから早く目覚めろよ、と優しく声を掛けた貴広は、あの時撮った写真を見つめるのでした。



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作画崩壊が一番凄い巻。ほぼ四六時中崩れに行っています。
完全オリジナルのシナリオ部分が明らか酷い出来なのはフォローしようがなく、原作にないアレコレを完全に想像で作って描いている為にひたすらお笑いとツッコミ所が続きます。
登場人物の行動や言動もツッコミ所まみれで、ツッコミ過ぎて疲労感すら憶えます。

貴広の漆黒は、怒りなど感情の励起だけで戻る様なものではなく、安易に物事を片付けて仕舞う便利な覚醒要素の様なものではない、と言うのが原作で(かずさ、鈴希を除く)遵守されていた設定であるだけに、貴広覚醒!で解決☆と言うのはちょっとどうかと普通に真顔で思う点ですね…。

リニアについても隷についても解決しておらず、飯島に至っては二巻で如何にも次の敵役の様な様子だったのに、一言も触れられずに終わっており、とにかく何かと、何もかもが中途半端。

隷が「次は」と言っているので、この後隷が攻めて来て、リニアが記憶と共に目覚めてと言う流れになるのだとしたら、島は二度も破壊されると言うクソ迷惑な事態になりますね。

まあ三話完結だから、意味深引き摺っても特に何もないよ!が正解ですけど。



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 …とまあ、作画が度々崩壊、脚本は崩壊しっぱなし、と言う当時のありがち水準のOVAです。
 元のケロQ絵をアク強くして持ってきている為に、女の子たちの目が軒並みデッカすぎて気持ち悪いレベルなんですよねえ…。
 千歳の目とかかなり怖いです。
 一番作画がまともに見えるのが、衣装がシンプルで表示回数の多い貴広と言うのも笑える所ですね。並んで霧島とおやじさん。
 女の子のエロ部分は二巻かずさのおっぱい乳首とぱんつ履くシーンやスカートチラるぐらいのもので、後は硬派と言うか普通です。と言うか二巻だけ何か絵とノリとが違う気がしてならない。
 仮にも美少女ゲーのOVAだと言うのに、所長が一番肌色多いエロサービスを披露している感ですよ。
 
 ありのまま以下略、俺はエロゲ原作のOVAを買ったと思ったら、女の子のエロは0.01割しかなく、ずっと野郎が出ずっぱりで肌色率が一番高かった…。何を言ってるのか解らないと思うが…。

 けれどアニメーション動作はかなり無駄に細かい部分があります。特に二巻。
 作画が細かいのではなく、演出と言うか芸と言うか。
 貴広が歩く時はずっと、ちゃんと杖つくしその度に足を引き摺る動作が入ります。一部を除いてほぼ確実に引き摺ってますしずっと杖所持。
 杖持ってしゃがむ時も軸の部分に持ち替えたり、座る時や立つ時も、杖つき動作や右足に負担させない動作がとにかく妙に細かい。
 これもう貴広さんを愛でるOVAなのでは…?というぐらい細かい。無駄に。
 アンドロイド兵の標的発見時の目の描写や、リニアハンドの動きが入る度に音がうぃんうぃん鳴ったりする部分も細かくてよろしいです。


 …と、まあ、2000年代頃にそれなり多かった気のする、美少女ゲームのメディア化の一つと言った商品です。
 作画や演出は基本中の下で、時折異様な良作画があるかと思えば酷いものがあったりと幅にブレあり。
 基本脚本は原作ストーリーを駆け足でやらなければならない事を除いても、お笑いです。ツッコミ所が多い。

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