2019-07-06
・闘神士は血筋で継がれ続ける説、地流サイドの妄想参ります。
遡れば皆親類縁者。なんて事は同じ様な(役割を帯びた)家柄ではよくある話。

・さて前回は、天流が「鬼門を護る」名目で、御殿でウハウハ暮らしたり、各地の鬼門に派遣された傍流一族も「鬼門を護るのだけが仕事です」と基本のんびり暮らしていただろう、と言う話でした。
・この当時地流がどう言う生活を送っていたのかは、地流の史跡系や生活レベルが作中に登場しないので不明ですが、地流サイドの「妖怪退治で次々と地流闘神士たちが死んで行く中、天流は以下略」と言う物言いから見ても、余り豊かなものとは言えなかった様です。
・天流の暮らしぶりを見ても、当時の朝廷や貴族がそれに不干渉であったとは思えないので、きっと天流には殿上人たちとズブズブに利権的な繋がりはあったと思われます。伏魔殿の資源の提供とか、まあ色々やっていたのでしょう。
・「鬼門を護る」どころか、開いてリゾート代わりに使っていました的なそんな実体を知れば、野で戦うばかりだった地流戦神士もそりゃ不満を爆発させたくもなるかと…。

・そんな地流を扇動したのはウツホ復活を目論む神流の「いつもの」皆さんこと、ショウカクやタイシンら。
…となると、わざと伏魔殿を刺激したりして妖怪を発生させて地流の数を減らしていた可能性も高そうですが、ともあれ1000年前には地流に因る天流襲撃が勃発します。
・ただこれは地流のクーデターと言うのは表向きの理由で、その実体は天地宗家を戦わせる事でのウツホ復活が目的だったと作中語られますが…、ウツホ復活の条件がよく解らなくなって来たので細かい部分は取り敢えず一旦スルー。

・天流宗家ヨウメイはショウシの君の術に因って、天流の大鬼門を通して1000年後の未来に飛ばされ、その際に天流宗家屋敷に居た天流闘神士たちの一部は開かれた鬼門から伏魔殿へ閉じ込められたりして、天流はその数を地上から大きく減らす事となります。一夜にして消えた天流。実に、歴史ミステリーにでもなりそうなネタです。
・地流闘神士たちは神流の目論見など知らない筈なので、天流との戦いに一応は勝利した事で、地流こそが覇者じゃコラァ!と浮かれたでしょう。大鬼門の解放で犠牲は多く出たでしょうけれど、天流のそれよりも被害は軽微だった筈です。
然し何処ぞへと消えた宗家を打倒するまでは完全勝利とは行かないので、きっと喉の奥に小骨が刺さった様なそんな気分だったと思われます。
・特に伏魔殿を安全に開く、月の勾玉が発見出来なかった事は大きかった筈。…まあ月の勾玉は天流屋敷のすぐ傍のご神木の中ですけど。灯台もと暗し。

・ともあれ天流打倒に成功した地流は伏魔殿の富を、嘗てそれを好きにしていた天流に代わって得ようとした筈です。然し、多分にそれは余り上手くは行かなかったのだと推測出来ます。
もしも伏魔殿の富を天流の様に得ていたのだとしたら、地流がその後繁栄していない&宗家が伏魔殿の利用を危険と言っていた理由が解りませんから。
伏魔殿を安全に開く方法でもある月の勾玉は無いし、開く術(ショウシの君がヨウメイに使った様な術を含めて)は恐らく天流に秘されており、当時の地流の力では完全再現には至らなかったのだと思われます。
・結果、地流は1200年前のウツホの封印から1000年前の天流襲撃までの間に培った、
「天流は伏魔殿の富を好き勝手に得ていた。伏魔殿が開く影響で生じた妖怪退治で地流は疲弊していると言うのに(倒置法」
と言う意識をずっと抱えた侭、自分たちでは得る事の叶わなかった伏魔殿と言うお宝を目の前にして、それから1000年近くを悔しがって過ごしたのでしょう。

・地流が地流大鬼門を自在に開く術を発見し、そこから伏魔殿の産物を得ながら飛躍して行くのは、ミカヅチの台頭以降です。
それでも、地流大鬼門で事故が幾度も起きていた事を思えば、天流のしていた様に「安全に」伏魔殿を開く事は、現代の地流の組織力や分析力を以てしても困難だったのだと思われます。
地流宗家である飛鳥家が「伏魔殿の力に触れない方が良い」「闘神士は歴史の裏で使命を果たすべき存在」となったのがいつの頃からかは不明ですが、少なくとも地流が本来旗印であるべき宗家の存在を長きに渡って隠匿している事から見ても、ユーマ父よりもっと以前からそう言うスタンスになっていただろう事が窺えます。
・…まあひょっとしたら、ですが、天流を打倒したものの伏魔殿の富を得る事が出来なかった事で、地流の間に宗家に対する不満が高まり、最初のうちは「今伏魔殿の事を研究してるんだよ!」とかわしていた地流宗家も段々と、今度は内部でクーデターが起きるかも知れないと恐ろしくなって、いつしか権力を棄てて潜んで仕舞ったのかも知れませんね…。

・地流闘神士らの中で一つ確かだったかも知れないのは、地流闘神士の方が現状天流よりも数が多い事と、大体の人が大昔に培われた前述の、天流への恨みやいけ好かない感情を根元的な部分で抱いていつつ、然し現状力の衰えている天流を見下している部分がある、と言う事…ですかね。
まあ天流は「地流は鬼門に立ち入るな!(でも自分たちは入ります)」とか高圧的で狡い部分もあった様なので、まあ何と言うか…無理もないかなとか…。
・妖怪退治と言う役割的には、天流より下手をすれば各地に散っている筈の地流が現状一枚岩になれたのは、宗家を名乗ったミカヅチの権力とカリスマが絶対的なものであったからでしょう。

・次回、神流…に続…かず、地流宗家(偽)の掘り下げでもしますか…。