2019-08-02
・以前書きかけて放置してた麻生リナ嬢についての事でも。

・リナちゃん=闘神巫女?…と言うのは、作中何度も示唆されている事です。何話か記憶が曖昧過ぎて思い出せないんですが、誰か式神が彼女の事を巫女と疑う台詞があったような…。
>二話の大火のムミョウの台詞でした。
・ともあれ、実際作中で彼女には、霊体の式神の姿をそれとなく見ている表現があります。完全に「見える」時とそうでは無い時と振れ幅が多少ある様ですが、ともあれ霊体の式神は闘神士や闘神巫女にしか認識出来ない筈なので、この時点で既に一般人とは言い難い存在です。
オカルト好きな少女と言う設定から、作中では敢えて「霊感」と言う俗っぽい種別にしている様ですが、明らかにその才能は闘神巫女のそれでしょう。符を使ったり八卦板(を通じて力)を暴発させたりと言った事をしてますし。秘めたる力に関しては底知れない感漂いまくりです。
・また、24話ではコゲンタが神操機の中に「居ない」事すら理解しているらしい事に加えて、「トラさん遠くに行っちゃったね」と言う発言は、コゲンタが式神界へ帰結した訳ではなく、絆を神操機の裡に残した侭名落宮へ堕ちたと言う現象を、意味は解らずとも「そう」と解っていた風にも取れます。(いなくなった、訳ではなく、遠くへ行った)

・そんな闘神巫女としての才覚に密かに溢れてる疑惑のあるリナですが、彼女が最も恐ろしいそのポテンシャルを発揮したのは物語終盤、ウツホ復活後に世界に妖怪が溢れてから。
彼女は妖怪を手懐けたどころか、「名」を与えて調伏すると言う所行を行います。「名」は言霊であり魂でもある。名無しの妖怪たちは「名」を与えられた事で自己の存在を明確にし、恐らくは個々の意志すら獲得するに至った。(だから名を付けられて皆喜んでいる)
これは言って仕舞えば闘神機での式神との契約と同じ現象です。否、それどころか妖怪と言う生命と現象の中間の様な存在に意志と意味とを与えたと言う事は、式神(に類したそれ未満のものを)を創った、とも言える筈です。
彼女の与えた言霊の強さが「名」を意味として妖怪に持たせた。名を持った妖怪は何れは式神…とまでは行かずとも、式として術者に使役される事の出来る存在になれる可能性がある。(実際、名を付けられた子は言うことを聞いている)
・無自覚でやっている事とは言え、これこそウツホの初期頃の「妖怪と暮らしていた」「妖怪を使役する事が出来た」と、恐らくはほぼ同じ現象です。
イヅナさんの様に闘神士ではない巫女にも、術に特化した能力があるとは作中語られていますが、妖怪を調伏ないし使役する様な力は恐らく無いと思われます。
少なくとも、闘神士であり闘神巫女であるナズナは、妖怪=退治するものと言う認識の様です。

・…と言う訳で、麻生リナは闘神巫女と言うよりは、誕生した頃の純真無垢であったウツホと同じ様な能力を持っているのかも知れません。
尤もそれは、純真無垢である心を失えば、妖怪は友達ではなく使うものだと言う認識となり、消えて仕舞う類の力とも取れるものですが。
・作中ではリナのそう言った能力には敢えて誰も深く触れようとはせず、がっつりとスルーされます。ナズナ辺りなら気付いても良さそうなものですが、恐らくは「敢えて」そう言った描写や要素は無いものとして扱われています。
・と言うのも、モモちゃん、リナちゃん、リュージ君、ユミ先生ら学校やボート部の人間たちは基本的に、リクの最終的に戻るべく日常の象徴として扱われている為なのだと思われます。
リナは恐らく今後も闘神士に関わる事なく、ただの「霊感の強い」オカルト少女としてごく普通に生きて行くのでしょう。
・彼女の能力が特異過ぎる余りにそう言った想像に至らなかった、のだとしても、恐らくは気付かない限りはきっと何の害も得も無い類の能力なのだと思われます。と言うか多分そう言うオチ。
・……そんなリナちゃんと天流宗家のりっくんとの間に子供が生まれたりしたら、とんでもない才能爆発させた闘神士が生まれそうな気がしないでもないんですが、これ以上はモモちゃんに泣かれそうなので止めときます。