2019-10-13
・39話、ヤクモの謎のワイヤーアクションについての話。
・……や。内容的にはものっそい膨らませたいやつなんですが、膨らみようがないと言うのが残念ながら残念な話なんですけどね…。
何とか無理矢理頑張ってみましょう。なおこの時点で着地点全くの未定です。

・まず問題の「ワイヤーアクション」が何かと言う点から。一応。
・伏魔殿の最奥にほど近い地点(多分)にて、ヤクモは他とは何か「違う」と思える花畑に辿り着きます。
伏魔殿は五行の各行の属性を持ち合わせたフィールドが幾重にも重なり合って構成されています。
12話や21話の様に人工物のある空間は、一見しただけでは何行のフィールドなのか不明瞭なものもある様ですが、大概の場合はそれぞれの属性を色濃く反映した空間になっている様です。
・そんな中に忽然と現れた花畑を奇妙なものと、見た目からして感じるのはまあ当然でしょう。

・〜…ちょっと逸れますが、ウツホが妖怪たちを隔離した当初の伏魔殿は、単に現世とは異なった隔離世と言うだけのものだったのではないかと、作中でそうと明言はされてませんが、思われます。名落宮のある時空と同じ、現世からは隔てられていると言うだけのいわゆる『異空間』。
それがいわゆる五行の何れにも属していないフィールドであって、元々の伏魔殿。
ウツホを封印した後、その封印を更に強固にすべく、伏魔殿の空間の中に闘神石と言うものを核に用いて各行を反映した『部屋』とも言うべくフィールドを作り上げ、一種の封印結界の様になる様に整えたのではないかと。
(ヤクモ通信でも、闘神石と各フィールドが封印になっていると言っていた筈)
・元々の伏魔殿はその各行のフィールドに混じって仕舞ったり切り分けられたりして仕舞ったりでバラバラになったりして各地に点在。
・中には天流が神流闘神士を封印するのに用いた場所もあったり、名落宮へアクセス出来る特殊な座標にも繋がっていたり。
恐らくは天流が伏魔殿に出入りしていた時に残した建造物やスペースもあるでしょう。
ヨウメイの両親の居た春夏秋冬のフィールドも、明らかに伏魔殿のフィールドの中に忽然と存在していて易々入れない様にしてある=創られた場所、と言った感じですし。

・まあ脱線しちゃうのでそれはさておいて…、ウツホが封印されているのは当然、そんな伏魔殿の中央であり最奥。
人柱となったウスベニらを封じた、天地の封印の施された花畑の遙か下方。
一見ただの花畑ですが、散々伏魔殿を旅して来たヤクモには、どの行にも属している様子もないそのフィールドの中に忽然と現れた、一箇所にだけ美しく花の咲き誇ると言う穏やかな空間が奇妙なものとして目についた様です。
・試しに花を抜いてみれば、忽ち顕現する妖怪。これは見た目通りの花畑などではなく、花畑の姿をした何かであると察して、符の一投で探ってみればそこにはなんと天地の封印が。
・封印を見たヤクモが「ここにウツホが封印されているのか?」と考えたのに対して、「そう簡単だったら話は早かった」的なショウカクの返答があった事を思えば、単純に天地宗家を連れて来て封印解除を行うだけではウツホの解放はならない、と言った様子でした。
まあ実際、最終話での天地の封印解除を見るだに人柱の解放(あの場所が現世にもあり、『鏡合わせ』である事を思えば、時間の解放とかそう言うニュアンスになりそうですが)だけみたいでしたし…。
・然し、伏魔殿中の座標として見れば前述通りに封印の花畑の直下に、ウツホと四大天の封印されたフロアがあります。
気の所為じゃなければユーマとミヅキが落ちて来た空間っぽいですよね…?
月の勾玉さえあれば上の天地宗家の封印を無視して直接ウツホの封印を解く事が出来るどころか、外からも最奥と言える場所に放り込まれちゃうと言う謎仕様。
アレ、それじゃ天地の封印って何なの…?的な理不尽な疑問を抱かずにいられないポイントなのですが、まあそれも一旦置いときましょう…。
ぶっちゃけ今辻褄合わせ出すと脱線が止まらなくなるのでまた今度に。

・ショウカク撃退後に一旦花畑から立ち去ろうとしたヤクモは天地の封印の胎動を感じます。
そんな最中、恐らくはそこに来たマサオミに気付いたヤクモは、25話でマサオミがした様に一旦隠れて様子を窺います。
すると、月の勾玉を手にしたマサオミはエレベーターの様に花畑から最奥へ降りていくじゃありませんか。
・この底がウツホの封印の地と言う事だろうと断じたヤクモでしたが、エレベーターを使う事も出来ません。
さあ、一体どうやってヤクモは封印の地へ降りるのか?

・そんな時に登場したのが、今回の議題である「謎のワイヤーアクション」です。前置き長いわ!

「この声は…!」と振り返ったマサオミの前に、とんでもない高さ(少なくとも降りて来た穴は見えない)から何やらワイヤー一本を片手に落下して来て着地するヤクモと言う、ちょっと君それもう世界観他と違い過ぎるどころの騒ぎじゃないよ!格好良すぎるわ!とツッコミたくなる、伝説の闘神士様の伝説のシーンの一つです。
・はいまあ要するに、あのワイヤーは何なの?と言う話ですね。

・まずワイヤー自体、普通に考えれば符で創ったものなのだと思われます。
いやだってヤクモがそんな謎のワイヤーを持って歩いてる様子はないし、使ってるシーンも無いし、そもそも指出し手袋でテグスでも鋼線でも良いですけど物理的にワイヤーなんて掴んだ日には手が血だらけになるどころの騒ぎじゃないですからねえ…。
いやまあ生ワイヤーアクションである事が一番希望ではあるんですが、ワイヤーだと当然引き戻したり停止したりする機構が必要になるので(バイオ4のエイダ姉さんみたいな)、それらしいものを所持していない=物理的に存在するワイヤーじゃないのかな?と…。
・符を使うならいっそ25話の波乗りとかの様に直接浮遊する足場とか創れば良いのでは…?と言う素人考えに対する答えはただ一つ、余裕ぶっこいてエレベーター的な下り方をしたマサオミに対して、高所からマント閃かせて、アクション的に飛び降りて来た方が画的にも格好良いから!
…的な感じなのではないかと勝手に思っております。アニメ演出的な意味でね!

・まあ見る限り、落下速度を調節する為だけに(着地出来る様に)用いたと言う感じですので、ワイヤーを引き戻す機構とかいらんと言えばいらん感じですが、命綱的な扱い──つまり自重を支えるのを闘神士として大事な右手一本に任せるとはちょっと思えません。
・……ので、やっぱりあれは符で創ったワイヤーのようなもので、意味としては落下中の速度を軽減する事を目的としているのでしょう。
着地の瞬間までワイヤーがぴんと張っていて、するっと力が抜けた様に「上から」落ちて来るので、符の力が解けた、と言う所でしょうか。落下の距離と落ちて来たワイヤーの長さが明らかに合ってませんので、やっぱり符で以下略。その後ワイヤーも消えちゃっていますしね。実体ではないのは確かかなと。

・そんな所にもう一つ謎を膨らませて仕舞うのが「ここにウツホが封印されていると言う事か」と、着地までに一言口上がある事です。
・足下に置いてある月の勾玉にヤクモが気付いた描写は残念ながらありませんので、マサオミがそこに降りて行った>到着点、と言う事だけで、ここがウツホの封印の地だ、とヤクモは判断した様です。
・…さて、落下しながらの台詞では着地までに間に合わないですよね到底。
マサオミの移動距離をみても結構な落差がある筈なので、飛び降りたら危険どころの騒ぎじゃないと思うのですが、
迷わず飛び降りて>途中で符でワイヤーと言う手がかりを創って落下速度を調節>ゆっくりとぶら下がって落りて行く中>マサオミが到着点で一仕事やり終えた様な風情に見えたので>口上を述べて一気に落下した、
と言う風に見るのが妥当な所でしょうか…。
・とは言え。口上と共に結構な速度で落ちて来てますので、幾ら符ワイヤーで落下速度を調節して来たと言えど、自由落下してきた高さは結構なものです。
着地時には完全に膝をつくぐらい身を屈めて衝撃を殺してるし、ヤクモ様級の運動性能を持った人じゃないとあの命綱ワイヤーアクションは矢張り出来ないよね、と言う、ほんとこの伝説の闘神士はほんともう…!と言ういつものオチを取り敢えず置いておきますね…。

・まあアニメの演出的なアレなんだよ、と言うのは解っていて重箱の隅々まで食べたいだけですので、無駄で気持ち悪い事してるのは請け合いなんですがお察しください。