私の罪は千二百年 / 5



 神話の頃より蛇と云うイキモノは人に概ね畏敬を与える存在だったに違いない。実際、あらゆる国の神話や民間伝承にも蛇は信仰の対象にあったとされる。
 それは、その威容ももちろん、脱皮を行う様や長い体躯から豊穣や生命力の象徴とされていた事などに由来しており、この国の神話にも蛇神や神の使いとして度々描かれている。
 神や宗教は兎も角、一般人レベルでは蛇と云うイキモノは──特に都会で育って来た人間にとっては──滅多に見かけない事や、「毒を持つ」と云われ喩えにもよくされている事、小動物を丸飲みにする事、などと云う印象も相俟って、恐ろしいイキモノと見ている者が多いだろう。
 それを抜きにしても、長いイキモノを苦手とする人は多いし、蛇に睨まれた蛙、と云う慣用句もある。
 つまり蛇と云う存在は人の本能に──或いは生活や文明に──対し、警鐘を鳴らすのに値するモノであるとも云えるのかも知れない。
 (──……それを、も抜きにしても)
 無意味な思考をそこで振り切り、ヤクモはゆっくりと眼前を見上げた。見上げなければならない程に、鎌首を擡げたその大蛇は巨大だ。
 体躯も。威容も。存在感も。その意味も。
 (これだけ巨大ならば蛇だろうが鼠だろうが──誰だって畏怖を憶えるだろう)
 境内をぐるりとうねって、ちろちろと舌を出す鎌首を参道の真上へと擡げ、風景を透かす半透明の体躯を悠然と其処に横たえている大蛇(うわばみ)。
 全容は拝殿を通り抜け更に遠くへ融け込んでいる為、その体躯の長さすら知れないが、少なからず頭部だけで象の一頭や二頭軽く丸飲みに出来そうだ。
 ここまで来ると寧ろ畏れよりも興の方が強く涌いて来そうな事に気付いて、ヤクモは大蛇から目を離さぬ侭かぶりを軽く振った。獅子が蟻を食さないのと同じ様にこの大蛇では腹の足しになどならぬ卑小な人間など食べも襲いもしないだろう、などと比較的真っ当に考えていた己に莫迦莫迦しさを憶える。
 『真っ当』な線引きなど、最初から此処には無い。それもまた、当然の事だ。
 瞬きをしない金色の目を抱いた大蛇の頭部が、そんなヤクモの内心には全く構わぬ侭でゆっくりと下方を睥睨した。元より境内に居た闘神士二人をこの大蛇は見据えて来てはいたが、仕草であからさまにその注意を引こうとしている事に気付く。
 補食、などと。畏れるレベルは端から『真っ当』なそんな事には類さないのだ。
 何故ならばこれは。
 「……………カミ様」
 予想ではない。事実でもない。ただこの状況に最も合致するだろう単語に、それを漏らしたヤクモと同じ様に大蛇──曰く『カミ様』から目を離さぬ侭、マサオミが一歩、後ずさった。呻く。
 「まさか、これがカミさ……いや、此処の主、だって云うのか?」
 嘗てこの地にて(勧請されたか元より居たかは判らないが)祀られた主。この神社に奉じられた主。そして神域を満たす異様な神気の持ち主。
 「ここまでお膳立てされて、他に該当する存在など無いだろう…」
 余り真っ当な返答を期待していた様にも思えないマサオミの問いに一応答えながら、ヤクモは彼の横から少しだけ前に移動した。大蛇の顎の下辺りからその威容を見上げる。縋る様に守る様に、その片手はずっと神操機の上へと乗せた侭だ。
 大蛇はそのヤクモの動きに警戒し注意を払う様に、ほんの僅か首を斜めに下げた。金色の──それだけで萎縮を憶えそうな目が、じっと見下ろしてくる。
 (動きにも物音一つしない。風景も透けている。何処から出て来ているとも知れない。ただ巨大で──畏怖する)
 紛れもない、妖怪などには決して有り得ない威圧感──神気を確かに眼前の大蛇から感じ取り、ヤクモは背後のマサオミにも気取られぬ様密かに喉を鳴らした。神操機の裡より伝わる気配達を宥める様に手をそこにやりつつ、そっと息を吸う。
 最早疑う余地などない。
 (これは、『神』だ)
 『……此処は我の預かる地。我を信奉する者らの地。汝ら人の子は如何な用で立ち入った』
 ヤクモのその結論を待っていたかの様なタイミングで、大蛇がそう云った。少なくともそう云う風に聞こえた。実際大蛇の口も喉も全く動かず、ただ頭の中に声が直接響いた、と云う感じだったが。
 「貴方を崇め祀る目的も無く此の神域に立ち入った事は申し訳無く思う、此の地の神に座すものよ。だが我々は貴方を害する心算も冒涜する心算も一切持たない。それを先ずは理解して頂きたい」
 「お、おい…!」
 小声で袖を引くマサオミには構わず、動じた様子をも見せずヤクモは凛と声を上げた。続ける。
 「我々と同じ闘神士、それと民間人がこの域にて姿を消した。それを貴方はご存知ではないか?」
 『…………』
 じっと大蛇の瞳から目を離さぬ侭告げるヤクモの問いに、大蛇はまるで何かを試すかの様な眼差しでじっと沈黙を返してきた。
 辺りに満ちる神気がひときわ濃くなった錯覚を憶え背筋が粟立ち、足が今にも震えだしそうになるのを必死で留め、ヤクモもまた問いを沈黙で続ける。
 そうして見合った侭どれ程の間が流れたのか。当初狼狽を隠せなかった様子でいたマサオミが漸く落ち着いたらしく、気を取り直してヤクモの横に並び立った頃、大蛇が二度目の言葉を発した。
 『我が域はこの山。人の子には広大な域。内は我が腹の裡に入った様なもの。故にその全てを把握など出来ない』
 「……彼らが、この域へと立ち入った事は慥かか?」
 『……』
 二度目の問いにもまた、返ったのは沈黙。然し今度は短い。
 『是。慥かにその人の子らは我が域へと立ち入った』
 在るのは威圧。威容。畏怖。目に見えない圧力の下、そう告げる大蛇の表情からその心の動きまでは知れない。
 確証もないが信じるしか出来ない。そもそも神は偽をつくものではない。
 故にヤクモは、最後の問いを──己の想像を肯定する為の問いを選ぶ。
 「………勧請の、契約に誓って?」
 え、と小さい呻きと共にマサオミの気配がこちらを向くのを感じながら、ヤクモは大蛇の姿を猶も真っ直ぐ見据えた。
 『是』
 今度は沈黙を挟まず。大蛇はただひとことそう答え、持ち上げていた鎌首を下ろして来た。見上げる程高かった下顎が大地に触れるその寸前、大蛇はほぼ眼前とも云える高さとなった闘神士二人を『見』る。
 ぞ、と背筋に走った戦慄に、無意識のうちに手が神操機を強く握りしめる。
 『汝らが此の域に留まる事を我は望まぬ。早々に立ち去らねば如何になろうとも知れぬぞ』
 ──警告。否。これは紛れなく、敵意だ。
 マサオミがごくりと喉を鳴らす音が聞こえる。いや、或いはそれは己のものであったかも知れない。
 闘神士二人の畏怖の感情を前に、神なる大蛇は静かに、ずるずるとその身体を後ろ向きに引き摺って下がって行く。その前にヤクモは再び口を開いた。
 「これ程の神気を満たした貴方は、元はこの地のものではない──名の在る御方とお見受けする。宜しければその名をお教え頂きたい!」
 張り上げられたヤクモの声には然し応えぬ侭、大蛇の威容はずるずると本殿の在る方角へと消えて行き──
 『我は鎮守の守。その役割こそが『名』』
 そんな答えだけが、静寂の中に静かに返って来た。
 
 
 顕れた時と同じく、全く音も立てぬ侭大蛇の姿が消え、辺りには先程までの静寂が戻って来る。否、ずっとこの静寂は保たれた侭だった。ただそれよりも強い威圧や神気に気を取られていただけのことだ。
 「………………ふぅ」
 「『ふぅ』じゃない!一体なんだアレは!?って云うかいきなりアンタ喧嘩腰過ぎて冷や冷やしたぞ俺は!」
 思わず溜息を漏らしたヤクモの襟首をかくかくと揺さぶって、マサオミ。本気で驚いていたのかどうにも腰が少々退けている。
 「何って。カミ様だろう」
 「あっさり云うな!!」
 「それに、神も元は遣わされたものだから、敬語で遜って相対するのは信奉している者か守護されている土地の人間だけなんだぞ。なので俺の対応は間違ってはいない。筈」
 「筈とかも云うな!!」
 流石に経験のないプレッシャーに置かれ、そして平然とそれが解けた事で一気に緊張の糸が弛んだのだろう。今ひとつ支離滅裂な怒り方でひとしきり騒いだ後、手水舎の水を顔面に被る事でマサオミは何とか落ち着きを取り戻した。無論柄杓に掬った水を容赦なく浴びせかけたのはヤクモである。
 「………………………兎に角。一体どう云う事なんだ?幾ら強烈な神域内だからと云ってカミサマそのものが出て来るなんて云うのは、流石に初めてだ」
 「それはそうだな。俺も初めてだ」
 柄杓を元に戻してあっさりと頷くヤクモを、びしょ濡れの頭で胡乱に見遣りながらマサオミは訝しげ──と云うよりは疑わしげな表情で肩を竦めてきた。
 「アンタの事だ。どうせ何か想像がついているんじゃないのか?」
 問いながらも期待はしていないと云う様な。或いは期待はしているがどうでも良いと思っている様な。要するに投げ遣りな感さえ漂うマサオミの云い種に、ヤクモは正直な所を隠さない溜息を落とした。実際、期待される程の答えなどこの段階では返せそうになかったからだ。
 「半々かそれ以下と云う所かな。何れにせよ未だ予測──殆ど妄想の域は出ないさ」
 「それでも解っているなら頼む。鬼門は開いているかも知れなくて、でも妖怪はいないどころか見事に過ぎる神域があって、この上カミサマまでお出でなすった」
 お手上げだ、と示す為にかわざわざ両手を軽く持ち上げて云うと、マサオミは思い出した様にハンカチを取り出して濡れた頭と顔とを拭い始める。小さな柄杓程度の水量だから放っておいても直ぐに乾いただろうが、益々濃くなった気さえする霧の境内は何処か冷え冷えとしており、少し寒そうにも感じられた。
 「鬼門は開いている。行方不明になった闘神士達は恐らく伏魔殿の裡に入り込んで仕舞っていると俺は思う。
 此処までは仮定でしかないが、事実として神は嘘はつかない。知らない、と云うのであれば本当に知らない──と云うより、少なからず直接手を下し『神隠し』したとかそう云う事ではないだろう」
 「人が七人少々も消えて未だその消息すら知れないと云う事は、矢張り伏魔殿へ消えたと考えるのが建設的だろう、って?」
 勝手にヤクモの推論に続けると、マサオミは肩を竦めた。概ね間違ってもいないから咎めはせず、ヤクモは次のマサオミの疑問を先読みして答える。
 「お前の云いたい事はこうだろう?『鬼門が開いているとしたらこの神域の清浄な状態はどうなんだ』、と」
 「そうそれ。それが一番ネックだろこの説では」
 「先程、何処から神を勧請したのか、と言いかけただろう。要するに」
 何となく言葉を切って仕舞うが、今度は邪魔をする様なタイミングで何かが出て来る事も無かった。期待をしていた訳ではないが、一呼吸置いてヤクモは続けた。
 「『神』は鬼門から勧請された。鬼門こそが神籬であれば、神(あれ)は正に出入り口を塞ぐ形で其処におわす事になる」
 ヤクモの語るそれは、途方も、例も根拠もない推論だ。然しマサオミは大真面目な顔でそれに同意を示してきた。
 「それだ。成程、有り得ない話じゃない。元々神ってのも遡れば妖怪や怪物の類だったりする事も少なくない。鬼門の──伏魔殿の裡から勧請されたとなれば、あの大蛇(うわばみ)がそう云ったものである辻褄も合うな」
 立て板に水を流した様にすらすらと云うと、マサオミは顎に手を当て目だけでちらりと本殿の方を振り返った。神が鬼門より勧請されたと云うこの説が正しいとしたら、本殿にこそ鬼門があり、そこにあの大蛇の本体──即ち今回の事件の根本的な解決手段が潜んでいるやも知れないからか。
 古代信仰と云うに値する範疇に於いて、ついぞ現代的な「有り得ない」と云う反応を示して仕舞った事が少々不覚だったのか、妙にしみじみとしたマサオミの様子を見て、ヤクモは一応同意を示して頷いた。元々は自分の推論だったのだから当たり前ではあるが、他者の口から聞かされると改めて荒唐無稽かも知れないと少し思って仕舞ったのも確かだったりする。
 「……まぁ、俺の今の所の推測はそんな所だ。つまり──」
 つまり神は、鬼門より顕れたのだ。
 
 
 取り敢えず事が鬼門──引いては伏魔殿に及ぶと推論立てた以上、現状は少々不安事項の方が多かった事もあり、慎重にならざるを得まい。
 禁足地とされている本殿へ、神社の関係者以外である自分達が立ち入るのは少々気が進まなかったが致し方ないと、真っ先につけた目星として二人は拝殿を抜け本殿の戸を開いてみたのだが。
 「……………無いな、鬼門」
 「…………………………まあ本殿に在ると見たのも安直だったんじゃないか?」
 本殿の裡には一応『御神体』と云うべく年代物の神鏡が祀られてはいたのだが、それそのものは鬼門や神代とは無関係の様だ。そう簡単に解決するとは余り思ってはいなかったが、改めて少々気抜けの様なものを感じつつ、どちらともなく先ずは鬼門を探す事に指針を定める事で合意した。
 ……のだが。
 「お山の中なのは間違い無いだろうが……」
 「広そうだよねぇ……」
 ヤクモ、マサオミ、と続けて呟いて、溜息ひとつ。否ふたつ。
 神社の敷地すら未だ出ていない所に持ってきて、その立地は国有地だか私有地だかは知らないが、到底一日で全てを把握出来るとは言い難い文字通りの山である。しかもハイキングコースや観光地では当然ない。登山する場所でも当然、ない。傍目に見る限りでも木々や道は入り組んでおり、土地勘の無い二人では下手をすれば遭難しかねない。
 「………地道に探すしか無いだろう」
 鳥居の前で溜息をついて、先に歩き出したのはヤクモの方だった。真剣な横顔で呟く。
 「人の命もかかっている。急ごう、マサオミ」
 「了解」
 云って、先ずは下から探すのが定石だと判断を下したヤクモは境内の鳥居を抜け──
 「……………??」
 ぐるり、と再びマサオミの方を向いていた。
 「…………………何やってんの?」
 「あれ?」
 目の前の光景に茫然としつつマサオミは呻いた。傍目、鳥居の下に入り込んだ所でぐるりと一回転をしたと云う、現状ヤクモがする様な行動では無い。しかも彼の表情は至って大真面目だ。
 「「………」」
 二人向かい合って暫し、首を傾げ合う。マサオミは問いかけ通り「何をやっているのだ」と。ヤクモの方は疑問符を頭にくっつけて。
 頬を軽く掻くと、ヤクモは再び鳥居の方を向いた。下を潜り抜けんと足を一歩踏み出し──
 「…………………………おーい?」
 またしても彼はマサオミの方へとぐるりと振り返った。訝しいと云うより怪しくさえなり、マサオミは眼前できょとんとしているヤクモの額をぺしぺしと叩く。
 「いや、態とこう歩いている訳では」
 暫時の沈黙の後その手を払い除け、ヤクモは警戒の表情を隠さず鳥居を見上げ、続けて鳥居の横に回り込んだ。今度は普通に外に出──たかと思いきや、柱をぐるりと回り込んで再び鳥居の真下を潜ってこちらへと戻って来る。
 「……マサオミ」
 何をやっているんだ、と、首を傾げるマサオミをちょいちょいと手招きすると、ヤクモはその背をとん、と鳥居の外へ向かって押した。「わ」踏鞴を踏んで石段へと身を乗り出しかけたマサオミは、然し次の瞬間再び何事も無かったかの様に境内を振り向いている。
 「「………………」」
 再度。鳥居の下で二人向かい合って首を傾げ合う。今度は先程よりも少し長い。
 「どう云う」
 問いかけたマサオミを制する様に、ヤクモが符を一枚取り出した。軽い手つきで鳥居の外へそれを何の発動もさせずに放り投げる。と、恰も何者かが鳥居の外よりそれを投げ返すかの様に、鳥居を抜けるか抜けないかと云う狭間で符がその侭こちらへと戻って来る。跳ね返って来たと云うより、飛んで行ったその侭の勢いで。
 「………」
 ぱたん、と落ちた符を思わず凝視していると、ヤクモの手がそれを無言で拾い上げた。何も云わずとも流石に此処まで来るとマサオミにも厭な予感ぐらいは感じられる。何処か諦念の色の濃いヤクモの横顔を窺いつつ、鳥居を潜るギリギリの縁に立ち、そこから手を外に向けてそっと伸ばしてみる。と、押し戻される様な不可視の感触の後、マサオミは手を引っ込めていた。と云うよりは『何か』に強制的に戻された。
 「………………ヤクモ、神域の定義を一つ」
 「え。ああ。──域はその裡に信仰を保持する為の隔であり、『綴じ』る事で裡の神気を保持する。だが結界の類とは異なり完全に『閉じ』て仕舞えば意味を為さない。何故ならば不可侵の隔となって仕舞えば肝心の信仰が入る余地が無くなって仕舞うからで、」
 先頃の意趣返しの心算も含めたマサオミの問いに、ヤクモは思わずと云った感で淀みなくそう紡ぎ、一旦言葉を切ったそこで表情を曇らせた。
 「、……つまり神域の基本的な条件定義として、常に出入りが可能で無ければならないと云う点が挙げられる」
 「よな。じゃあ何で」
 云ってマサオミは三度鳥居を潜ろうと歩を進め──そして石段に辿り着くその前にヤクモの方を振り返って仕舞っていた。傍目恐らく先程のヤクモ同様、ぐるりと反転した様にでも見えるのだろうが、実際マサオミにはそんな自覚も心算も無い。
 つまり強制的に『そう』させられて仕舞っていると云う事になる。
 「………出られないんだ?」
 自らの、現状把握を端的に示したその言葉に、云って仕舞ってから血の気がざっと引いた。真正面に佇むヤクモの表情も心なし硬い。と云うより険しい。
 「…………閉じ込め──いや、綴じ込められた、と云うべきか?」
 久方振りに見た、緊張の濃い面持ちのヤクモが茫然とそう呟くのが妙に遠くから聞こえた気がした。
 (言い直すのは律儀だが、どっちでも結果的には同じじゃないか)
 冷静に心の中ではそう突っ込んでいたものの、口には出さない程にはマサオミは賢明だった。
 そう、口に出した所で出さなかった所で。
 ──此処から出られないと云う状況にも変わりはないのだ。





またしても殆どせつめi…。無茶理屈っぽい設定(を連ねるの)が好きなんです…。全くもー神道なめんな。本当に収拾つくんですか(…)。
マサオミは本当は古代での定義と云うべき範疇では専門以上の知識は持っている筈なんですが現代ボケしつつあるのが理想です(愛故の)。つつかれるまで思い出せないんだけどつつかれれば初めて本領発揮出来る感じ。
あと、果てしなく今更ながらタイトルはアレです。ええまあ趣味だからということで…。

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