-xx:xx
 -----------------------------------------------------------------------------

 届かない。

 届かない。
 届かなければ、ならないのに。届かない。足りない。届かない。
 どうして、届かないんだ。
 どうして、足りないんだ。
 どうしたって、諦めるなんて選択肢は存在しないのに。届かせる以外に辿る途は一切有り得ないのに。
 どうして、届かない。
 どうして、足りない。
 どうしたら届く?どうしたら救える?どうしたら、終われる?
 
 「    ──!!」
 
 悲鳴も嘆きも願いも、結局は何一つ、届かない。何一つ、成し遂げられない。
 だけど、諦めると言う選択肢は存在しない。だから、だから、、
 
 「……これは、依頼だ」
 
 選べる手段に、躊躇いも罪悪感も後悔も、最早無い。
 ただ、届かせる為だけに。
 足がかりとして、足りる為に。
 救う為に。
 終わらせる為に。
 お前の綺麗な魂を踏み躙ってでも、届かせねばならない、その為に。
 
 「道連れに、なってくれ」
 






 そうして。
 刻む秒針の、残酷な足音が、また近付いて来るのだ。







: → /1