アリアドネの紅い糸 / 26 それは銀時にとって師であり、親であり、また、死でもあった。 ずきりと頭が痛む。目の前で斃れている幼い子供の姿が、首を落とされた吉田松陽の姿とぶれる様に重なって見えた気がして、銀時は痛みを訴える頭を思わず押さえた。背が厭な汗で冷える。動悸が自分でそうと解る程に弾むのまでもが解って、かぶりを振った。 死んだ人間は蘇らない。決して。 だが、魂とか想いと言うものが何処かに残りはしないかと、自らの胸に問いかけ続けていた。だが結局、銀時が見出したのは自らの裡にしかその答えは無さそうだと言う事だけだった。 然しこの、過去の様な映像の裡に──死者の記憶の様な所ならば、或いは。 「……松陽、なのか」 開いた唇は戦慄いて、漸く絞り出した言葉は僅かに滲んでいた。現実としては到底信じ難い事だとは解っていた。だが。もしも。或いは。 あの出来事が自分にとって未だ大きな傷口である事は理解していたが、それでも随分と吹っ切れたとは思っていた。日々を必死で生きる上では、悔いる為の記憶など何の役にも立たない。だから、忘れはしないが、滅多に思い出す事も無かった。 見下ろす先に、銀時の紡いだ名をした人間の姿は無い。在るのはただの、子供の骸だ。自らの作った血溜まりに斃れ、涙に濡れた眼を見開いた侭の、憐れな亡骸だ。 それでもそこに確かに、吉田松陽と言う存在の気配を銀時は見出していた。姿形も何もかもが違うと言うのに。 『いいえ。厳密には違います。単に、君が話し易い様に振る舞う方が良いと判断したまでです。この時間軸には未だ存在を明確にはしていない『私』は、ここではまだ『私』では無い。 ……まあ、アルタナの滓の様なものが意志を持って喋り出したのだとでも思ってくれて結構です』 十四郎の亡骸は、銀時の懊悩など無視して、銀時の良く知る者に良く似た声で、然し全く違う調子でそう淡々と喋って寄越した。実際には亡骸の表情筋は疎か口すら動いていないので、酷く不気味としか言い様のないものなのだが、それでも『それ』が話しかけて来ているのだと言う事だけは何故か解った。 『実体を持たぬ滓ですからね。何か依り代が無ければ言葉を紡ぐ事すら侭ならない。故に、この童の亡骸の『形』を借りていると言った次第です』 つまりはこの何者か──何か、は、銀時の記憶にある様々な人間たちの中から、吉田松陽と言う語り部を選んで、それを模倣した歪な振る舞いをしていると言う事なのだろうか。そうだとしたら余り楽しくはない話だが、松陽と目の前の『それ』は、声や喋り方や笑っている気配こそよく似たものを漂わせているのだが、実際は全く別物だと銀時には感じられた。何と言うか、本質的に似つかない別人が無理をして吉田松陽を演じている様に思えたのだ。 「…ええと、」 どうやって記憶を、とか、どうして、どうやってこんな過去の映像を見せたのだ、とか。訊きたい事や言いたい事は山ほどあった筈なのだが、寸前の混乱の所為で気が削がれたのか上手くまとまらない。言葉を紡ぐもどかしさに呻く銀時を、亡骸は眼球を動かさずに見上げながら、構わずに紡ぎ始める。 『本来これは、過ぎた過去の夢であり、可能性の枝葉の一つに過ぎないものでした。己の記憶を辿って、もしも、と言う別の可能性を模索する事ぐらい、人の子にも覚えがあるでしょう。ここはそう言ったものの作った、有り得なかった別の可能性の世界でした』 松陽の『声』をした亡骸はそう淡々と言葉を紡ぐ。銀時に理解し易い様に言葉を選んで説明してくれているらしいと言うのは解るのだが、当の銀時の思考はまだ混乱の直中におり、頭の中に勝手に得られた理解と、目の前で起きている人智を越えた出来事との狭間で煩悶していた。 そんな銀時の惑いなど承知の上なのか、『それ』は気休めの様に続ける。 『深く理解をする必要はありません。どの道人の子に理解の叶う様な現象では無いのですから。より簡潔に噛み砕いて言えば、本来有り得ない事が起きて世界に歪みが生じた、ただそれだけの事です』 「……〜その、歪みってのが、土方に纏わる一連の不可解な出来事って訳か?」 人ひとりの存在が、記憶が、綺麗に消えて仕舞った世界。消えて仕舞った事にすら、当人以外の誰もが知る由が無いと言う、想像するだにぞっとしない、絶望としか言い様の無い現象。土方の置かれた状況を一応は『そう』と把握の叶った銀時だが、実の所己の側には未だに明確な『記憶』は無い。 土方十四郎と言う男が、己の情人であったと言う事は(恐らくは)事実として受け入れはしたのだが、実感は無い侭だ。ただ、己が彼の人に想いを寄せているのだと気付いたから、それもおかしくはないのだろうと判断した迄だ。 銀時の問いに、『それ』は多分首肯したつもりなのだろう。僅かの間を置いてから続ける。 『彼の存在がここでこの通りに途絶えた、君の今見て来た過去の物語が、そもそも本来は起きていない、ただの可能性の一つに過ぎないものでした。未来は既に取捨されているのだから、時が不可逆に事実を違える筈は無い。 ……ですが、そこで生じた歪みが世界を変えて仕舞った。未来が変わって仕舞ったのです。彼と言う人間ただ一人を残して』 さらりと語られた言葉が、解答となって銀時の裡に落ちるには少し時間が要った。混乱する以上に人智を越えた話が繰り広げられているのだと否応無しに突きつけられると、脳が理解を放棄しようとするものらしい。 額を指で揉んだ銀時は、自分なりの解釈で、松陽の声をした亡骸の語る言葉を反芻した。 土方十四郎と言う人間が居て、彼は江戸で真選組の副長をやっており、銀時と親しい関係にあった。つまりそこまでが本来有り得た未来──現在であって、正しい途と言うべき流れだった。 然し、過去の別の可能性の世界の中で、土方十四郎は幼くして命を絶たれた。目の前に彼が亡骸として転がる有り様がそれを事実として雄弁に物語っている。 だがそれは過去の可能性の一つと言うだけで、本来ならば未来を変えて仕舞うなどと言う事は起こり得ない筈のものだった。 然しどう言った訳か──歪みとやらが生じた事で過去が書き換わり、ここで命を落とす事など無かった筈の土方十四郎と言う人間が、世界から消されて仕舞った。 そんな事が果たして有り得るのだろうか。そう脳内で問いてみれば、返るのは「そんなの解るか」と言った、大凡何かの解決にはなりそうもない文句が一言。 理解も思考も放棄したい程に馬鹿馬鹿しい事を言われている気しかしないのだが、然し現実にそれが起きている。ついでに言うとどうやら本格的に巻き込まれてもいる。 ある日机から猫型ロボットが出て来るとか言う話の方がまだ幾分理解も納得も出来そうだ。生憎目の前に居るのは、和菓子の大好きな猫型ロボットでは無く、死んだ人間の声音を使って話す、子供の亡骸であったが。 「えーと…、……つまり…〜、パラレルワールドとかそう言う奴?」 『厳密には少し違いますが…、まぁ君がそう理解するのが手っ取り早いのであれば、それでも構わないでしょう』 「……何か微妙に勘に障る言い方だなオイ。──で、その『歪み』ってのは一体何なんだ?どうすればそれを元に戻せる?」 物解りの遅い子供に向けてやんわりと間違いを指摘する、松陽の口調そのものだと思って、銀時は口端をむすりと下げた。亡骸から目を意識せず背けると、そこには相も変わらずの土方家の火事の風景が拡がっている。が、時が停止した様にその光景は凍り付いて動かない。十四郎の命が消えたその瞬間で、無惨な過去の再現は停止している様だ。 然しこの光景は確かにもう一つの、可能性の過去としてこうして存在している。起こり得たかも知れない過去の運命として、余りに生々しく悲劇を見せつけて寄越した。 これも可能性としては確かに一つの現実として存在しているものと言うには、確かに説得力のある光景だ。だが、運命の転換点だか並行世界だか知らないが、二つの過去が同時に存在して、一つの未来にしか行き着かないと言うのは矛盾している。 (土方がここで死んだ世界と、死ななかった世界、か) 双方の未来が歪んだのだか混線したのだか──兎に角人智では理解出来ない様な『現象』が起きた。それで今こうなっていると言うのは、散々見て来た通りだろう。 死体がお喋り(のようなもの)をしている時点で、既に普通ではない世界だ。松陽の声で喋る『それ』の語り種にいちいち苛立っても仕様が無い。 銀時のそんな納得を待っていたかの様なタイミングで、『それ』は続ける。 『そもそもこの現象の始まりが、君の見た『ここ』です。この童の余りに強い自己否定の感情が、流れ出た血(いのち)を通じてこの地に涌いていたアルタナに融ける事で、彼と言う人間に纏わる世界の認識が混線し、世界が書き換わって仕舞った』 説明なのかすらも解らないそんな言葉に、銀時は思わず自らの足下を見下ろした。斃れた亡骸の手を伸ばした先、小さな生き物の小さな墓の上には確かに、十四郎の流した血が染み込んではいる。その血が地中と言う物理的な層をすり抜ける様に滴り、アルタナの泉へと落ちて行くと言う、幻想とも想像ともつかぬ光景を銀時は確かに見ている。…のだが。 「…んな、アルタナの出口で死んだってだけで、そんな事が起きちまうもんなのか…?」 『アルタナとは、手軽なエネルギー源の様に捉えられがちですが、実際には星の命です。そして同時に星の全てはアルタナより生じたもの。その星が誤った認識を受け取れば、世界を誤らせて仕舞う事など造作も無い事』 話のスケールがまた一段階とんでもない方角に加速した気がして、銀時は頭を抱えた。理解はしなくても良いと言われた言葉を支えに、俄には受け入れ難い──信じ難く理解もし難いその説明を、取り敢えず額面通りに受け取る事に専念する。 『ですが、そう易々とは起こらない事です。現象自体は稀にある事ですが。然し大体の場合はそう大した差異は生じない。世界の調整力がそう出来ている故に。 運命の悪戯としか思えない事が起きて、現在と未来の何かがそうと気付かない侭に影響され変化して仕舞う事自体はままある事です。それでも然程に大きな変化とならないのが普通ですが──…、人の子の、魂の抱える強い叫びと言うのは、時に星の力でさえも凌駕する。不思議なものです』 感嘆とも呆れとも畏れともつかぬ調子でそう言う『それ』を横目に見遣って、銀時は炎の照り返しを受けて明るい空を仰いだ。 「全くよく解らねぇが要するに、子供の未練一つでも、状況次第では星を、世界を勘違いさせちまうって事で良いのか」 『現象の結果としてはそれで正しいでしょう。童の自己否定が世界から己を消す事を望み、星に巡るアルタナはそれを受け取り、彼と言う人間に纏わる世界に於いて、死ななかった本来の未来と、死んだ過去の可能性とを混線させて一部の情報を書き換えて仕舞った。 彼がこうして死んだ事が過去の事実となって仕舞った事で、そこから先の未来で彼を知る者らの裡から、その存在が亡い者として成立して仕舞ったのです』 「ここで十四郎が死んだって事が過去として確定しちまったから、その先の世界からアイツが生きていたって本来の事実が消えて、アイツを知ってる俺らの記憶もおかしくなっちまったと」 銀時が呻く様に吐き出したのは、取り敢えず理解を放棄したただの反芻に過ぎないものだった。だが、口にする内にこれはとんでもない事態なのではないかと思えて来て、眉を寄せた。頭痛がする。 『先頃も言った通り、大体の場合はそう大した差異は生じません。例えば今回の場合だと、彼の未来に殆ど関わりの無い、この辺りの村人は彼を死んだと認識していたが、実は彼は江戸で生きていた、程度の、勘違いだったと済ます事の出来る類のもので済む筈だった』 幾分噛み砕いた譬えに、銀時は成程と曖昧ながらも頷いた。人の強い想いが運命の何処かに関与して何かを変えたとして、それを人の身で察知したり理解したりする事は叶わずとも、変わったと言うその認識が関わり合いの深いものと浅い者との間で異なる事は珍しく無いだろう。多少の記憶違いがあったとしても、人の記憶はあやふやなものだと思って、それで終わりだ。 『ですが、』 然しそこで『それ』の紡ぐ調子が少し変わった。漸く得た気のする僅かの納得に落ち着く暇も無い変化だ。益々面倒で理解不能な事を告げられるだろう予感に、銀時は隠さず渋面を向けた。亡骸は相も変わらず黙ってただ、血溜まりの中に斃れて動かない。幼い眼差しだけがどろりと澱んだ絶望を游いで、銀時を見ている。 『『これ』は状況が宜しくない。童の自己否定が強すぎる余りに、死の時間軸の後に出会った者らからも彼は消されて仕舞った。更には、消された彼自身の未来をその張本人が肯定しつつある為に、調整される余地もなく大幅な未来の変化が──歪みが生じかけている』 「張本人、って…、」 半ば茫然と呟いてから、銀時は土方の酷く昏い横顔を思い出していた。それはきっと彼が幾度も考えては否定して、受け入れようとしては拒絶したがっていた感情だった。 "『こっち』の──この世界も悪いもんじゃねェ。寧ろ、これが正しい在り方ってやつなのかも知れねェ" そう嘯いて吐き棄てた、自己への否定を、諦めて、受け入れて仕舞おうとしていた、彼の。 「──、やっぱり、義兄ちゃんの運命に纏わる事で、あいつは」 為五郎の案じていた事が現実になったと、半ば何処かで解っていた気のする解答に、銀時は拳を握り絞めた。壁でもあったら殴って仕舞いたいぐらいに、馬鹿野郎が、と沸き起こる苛立ちがやり場を失って凝っていく。 十四郎が死んだ時と同じだ。自分さえ居なければ、と、土方は目が不自由ではなく健在で居る義兄を見て矢張りそう思ったのだ。 よりにもよって土方は江戸で散々に己を否定された身で、言って仕舞えば今生への未練が希薄になりつつあった所だ。そんな時に、本来己を庇って視力を失い、長らえなかった義兄が生きて目の前に居たのだ。自分を否定しようとする数々の要素に、追い打ちをかけられる様な気持ちだったに違いない。 『……ですが』 二度目の、同じ言葉は然し先頃とは質の違うものに感じられた気がして、銀時は俯きかけていた顔を起こして『それ』を見た。まるで宥める様な調子に聞こえた気がして、握った拳を思わず見下ろす。それに縋ろうとするのもまた、懐かしい記憶の様だった。 『まだ、未来そのものが書き換わって仕舞ったと言う訳ではありません。現状は、彼に纏わる人間の記憶が、彼の居ない未来のそれと混線しているだけに過ぎないのです。だから君も無意識の内に彼の存在を思い出せていた。客観的に己を俯瞰する事の叶わぬ人の子には、それを理解する事は難しいでしょうが──それでも君は、何処かで彼を記憶している己を知っている。故に今、此処に居るのです』 これは飽く迄、可能性の過去が確定させられた事から、そう思わせられているだけの世界。だからきっと、突き詰めて行けば幾つも記憶に矛盾は生じるに違いない。銀時がそうであった様に。この世界に本来は既に居ない筈であった為五郎がそうであった様に。 「過去から、辻褄を合わせようとしているだけで、未来自体は変わっていねぇ。だから土方の存在はその侭に取り残されている。……そう言う事か?」 『その通りです。例えば彼の部屋や彼の名義の私物は既に存在しているものだから、消えて仕舞う事は無い。周囲の、彼を忘れさせられた人間たちは残されたその不自然なものを、然し整合性を無理矢理につけて収めて仕舞う。この世界での記憶の認識など、その程度のものでしかないのですよ』 『それ』は松陽の声音で淡々と言うが、よくよく考えなくてもとんでもない話だよなと、銀時は密かに身を震わせた。坂田金時と言う、自分の偽物が現れた時と似ているのかも知れない。人々の記憶から坂田銀時が消されて、その代わりにそこに入り込んでつくられた、誤った記憶の体現。 今の銀時も、土方の存在や話を受け入れてはいるが、明確な確信も記憶も無いから、この村を──土方の傍を離れる様な事があれば、きっと何事も無かった様に忘れて仕舞うのかも知れない。それは恐ろしい想像だ。現実味は全く無い癖に、恐ろしいと、そう思う。 (俺の中から、憶えちゃいねぇが確かにあったって言う、この気持ちが、俺も知らねェ間に消えちまうなんざ…、) 思ってから気付いて歯噛みする。だから土方はずっと、諦めた様な眼差しを向けて来ていたのだ。銀時の裡に己が居ないのだと、知っていたから。 そんな不安や孤独の中にひとり立たされた時に、自分の所為で傷ついた大切な人が、自分が居なかった事でその傷を負わなくとも良くなるのだと知れば。価値の無くなった様に思える己よりも、突きつけられた結果の方を信じてみたくもなるのだろう。そのぐらい、土方の心は摩耗して疲弊していたのだ。 十四郎が、生じた弱さ故に罪を犯したのは事実だ。幼い子供が、覚悟もない侭自覚も無い侭に『つい』魔が差し罪を犯した。これはその報いの世界でもある。彼は間接的にではあるが、恨みと言う感情で人を殺めた。彼の境遇を省みた所で、その罪は罪だ。だから十四郎はその罪の重さの前に、自己の否定を明確に願った。きっと自らの死をも救いと──消えられると──望みが叶ったのだと受け取る程に。 その報いとしてこの運命が釣り合うのかどうかは銀時には解らない。ただ、別の未来で土方十四郎はその罪を犯さずに戦い、生き延びた。大人になった土方十四郎の存在こそがその証左だ。その事実を、未来を知っている以上、銀時はこの理不尽な可能性の作った過去を、そこに生じた絶望を、ただ肯定してやる訳にはいかない。 『これは『私』にとっては些事に過ぎぬ事ですが、その誤りが世界を大幅に書き換えて仕舞うやも知れない事ではあります。そこに、この世界の変化に違和感を抱いた者が現れて、本来の未来へ是正する事を望んでいるのであれば、それを捨て置く理由もありません』 またしても、銀時の決意を待っていたかの様なタイミングで『それ』が謳う様に紡いだ。松陽の模倣が出来るぐらいだ、銀時の記憶どころか現在の心情を読み、それに合わせて会話をする事ぐらい『それ』にとっては当然の所行なのかも知れない。 なればこそ『それ』は銀時の感情も、記憶の惑いも、今の願いも知っている筈だ。 この世界の変化に違和感を抱いた者とは、恐らくは銀時や、為五郎の事を指しているに違いない。だから『それ』は、銀時にこの過去の光景を見せて、理解をさせたのだろう。 お前がそう願う通りに、彼の者を救うのだ──、と。きっとそんな目的で。 てきとう説明回。多分に虚さんでも松陽でもない『何か』です。CV山ちゃん。 ← : → |